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魔導学園の頑張らない少年  作者: 暇な青年
第一章 頑張らない少年
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第十一魔導 明日は何するか?

 食堂から見える外の景色は庭である。芝の庭。そこでは友人同士でキャッチボールしてたり、木に寄りかかって読書する者もいる。そんな連中を眺めながらアイスをパクリ。再びパクリ。と徐々に溶けていくアイス。徐々に減っていくアイス。


 「ふぁ~……ねみ」


 そーいや、あいつら今何してんのかね?


 何て事も考えながら再びパクリ。

 さて、明日はやっとの土曜日。休みだな。久しぶりに街に出てみるのも良い……いや、そこまで頑張んなくてもいいか。


 スプーンを加えてボーッと外の赤く染まってきた空を眺めていると別方向から視線が。何となく嫌な予感がするから無視しているが視線は無くなるどころかなんか痛いんですけど?


 おいおい、いつから視線は物理攻撃になったんだよ!? と思わず叫びたくなるが、ため息を付いてそれを飲み込んだ。


 一瞬だけなら、と自分に言い聞かせ顔は外にそれでも視線は向けられている視線の方に向けてみる。言うまでも無かったがこちらを見ているのは智香である。で、その智香をチラッと見たんだけど……


 「なぜ視線を逸らした」


 視線を戻してつい呟いてしまった。

 再び視線が俺の肌をジリジリと焼いて行く。


 お前の視線は太陽光か!?


 なんてこと言うキャラじゃないのは分かってるから再びため息を付く。

 なんだ? 俺が見ると視線を逸らして、俺が視線を外すと智香が見てくるんだが……


 俺は一旦視線を外した振りをして今度は顔ごと智香を見る。向こうも視線を外したと思ってガン見していたところに俺と視線を鉢合わせて顔を赤くして慌てて視線をあっちこっちに彷徨わせる。


 最後の一口を口に含み、俺は智香の周りを見回す。智香の両隣の席……まぁ、間隔は開いてるが一年生の男子が座っており、その周りで他の生徒(殆ど上級生)が口々に何かを言っている。大方、夕食一緒に食べませんか?とか

付き合ってください、とかだろう。まぁ、智香は一切反応せずに視線をあっちにこっちに。


 仕方ないから俺の方から視線を外すとそれに気付いたのかジーッとこちらを見る。なんなのかね本当に?

とは言え、この状況はこちらも居た堪れない。そーゆう訳で俺は席から立ち上がるとアイスが乗っていた器を手にして智香の座っているテーブルの横を通り抜ける。言っておくがこの道を通らないと食器を戻せないのである。


 食器を返すとそのまま出入口に向かっ──────えなかった。

 なぜなら出入口……正確にはその近くにある階段で凛姉が友達と楽しそうに談笑しているのである。


 「~~~~」


 流石に声にならなかった。

 確かに、た し か に同じ学園に居るから会わないって事はありえない! でも! で も ! それでも智香と会って連続で出会うか普通!? 連チャンすぎるわっ!


 俺は気づかれる前に先ほどの席に戻った。智香も何事?と言いたそうにこちらを見ているがお構いなしに俺は顎に手を当て、この場の打開策を考えるのだが──────


 「やめた」


 俺の思考はほんの数秒で考えを止めた。


 「どーせ一時間後には夕飯時だし、それまでここで寝てればいいだろ」


 諦めた結果こうなった。

 一時間睡眠して夕飯を食べに来た生徒たちと一緒に夕飯を食べ、その流れで帰る。これだ。


 「直登たちも来るだろうし」



 ──────そう、これが俺のミスであったというのはこの時の俺は想像もしてなかった。


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