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魔導学園の頑張らない少年  作者: 暇な青年
第一章 頑張らない少年
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第十魔導 フラグだった!

 いきなりだが剣呉、俺は今お前をめっさ恨みたい気分だ。それも逆恨みだってことも承知してる。

 なぜかって? 簡単だ。昨日の昼にお前があの二人と会ってないけどいいのか? とかフラグ立てるから回収しちまうことになっただろう! ……と言いたいがまだ! まだバレてない!!


 現在俺は一人で寮の食堂に来ていた。

 学園の授業も無事終了し、暑いからアイスでも食べようと食堂に来ていたのだが入口に来て俺は足を止めている。

向こう……と言っても食堂の窓口(料理を受け取る場所だな)で常識的に考えておかしい程一か所の窓口に人が密集している。その密集している中、窓口に立って無視しているのか分からないが黙って注文の品が出てくるのを待っている一人の女子。それに見覚えが俺にはあった。


 「俺じゃなくても知ってるか」


 一年の中では頭一つ分実力が跳びぬけており、その実力は俺たち二年生、または三年生にも劣らない。

 薄青色のセミロングで見た目はハッキリ言って年齢と体型が一致しない……可愛らしい幼児体型の女性の名は藤原ふじわら 智香ちか。前に少し出たが俺が小さいころお世話になった家の姉妹の妹である。


 その見た目と実力から直登たち四人より異性からも同性からも人気である。


 「さて、どーすっかな。暑いけど別に今食いたい、って訳でもないし……」


 本音を言えば智香……と言うより藤原姉妹に関わりたくない、だな。……言い方を変えよう。これじゃ俺が姉妹を嫌ってるように聞こえる。そうだな……面倒事に巻き込まれたくない、だな。


 そう。あれは俺が入学して間もない日。

 その頃からすでに俺は一学年で最弱の魔導師と言われており、同時に菜月と美緒とも仲良くなっていた。で、いつもの様にあいつらと廊下を歩いていたのだが、当時二年生の凛姉とバッタリ遭遇した俺たち……いや、ここでは俺、と言っておくか。まぁ、遭遇したら…………抱きついてきた。


 入学当初の直登達でも凛姉の事はよく知っていた。

 二年生で生徒会長(今も生徒会長のため二年連続)であり魔力8000以上。尚且つ契約精霊三体と言う驚異的な魔導の実力者の凛姉が俺に出会った瞬間、それも学園では初めての遭遇にも関わらず抱きついてきたのだ。当然、周りでお近づきになりたい目線を向けていた男女の生徒、それと直登たちはまぁ、約一分も呆然としてたね。


 実は魔導学園では二つだけファンクラブが存在する。

 一つは学園一の実力を持つ……えーっと、忘れた。もう一つが凛姉のファンクラブである。会員数は大雑把に言えば全校生徒の半分が学園一の方。もう半分が凛姉である。どちらも本人たちは知っているらしい。


 あの後のファンクラブの報復から逃げるのは大変だった。

 あれは学園生活で一番頑張った日だと俺は自負するね。


 そうそう、中学からの付き合いである直登と剣呉にも一つ屋根の下で暮らしていた、と言う事実を言って無かったので質問攻めにはあったが特に嫉妬などは無く、逆に笑ってくれた。まぁ、この二人は大丈夫だと俺もしってたしな。


 なぜかと言うと直登には彼女(それも幼稚園からの幼馴染)がいるから他の女には興味ない、とキッパリ断言している。


 剣呉は剣呉の方で社会に出るまでは興味ない、と青春を謳歌する現役イケメン高校生とは思えぬ発言をしてるからな。 ……おかげで剣呉の方にはファンクラブよりもタチの悪い『剣呉様の二股を認めようの会』と言う物がある。……剣呉が主人公で親友である、と言うよりいつも身近で寮部屋も一緒なわけで俺(ダメダメな親友役)と直登(イケメン親友役)のBLボーイズラブのファンクラブである。


 直登の方は気づいているんだろうが、その……剣呉ほんにんは多分、だが気づいてないだろうな。いや、その方がいいだろう。自分の為にも。


 さて、話をもどすか。

 まぁ、一か月前の話に進むが智香が入学してきた時も同じだ。あの可愛さ+美人姉妹。そして凛姉の事もあって色々な生徒に敵視・注意の目を向けられていることは言わずとも、ね。


 とは言ったものの智香も何となくだが俺に迷惑が掛かる(?)と分かっているらしく、学園では滅多に声を掛けてくることはない。


 凛姉は真逆だけど……


 「んっ!? そーじゃん。智香から声を掛けてくることは無いんだったら別に問題ないじゃん!」


 そんな訳で一番端の窓口にさっさと行くと、注文を受けにきた食堂のおばさんが出てきた。


 「バニラアイス一個おねがいしまーす」


 あいよ、と景気のいい返事を返すとおばさんは奥に入っていき、20秒程度で器に乗ったアイスを持ってきた。

それをお礼を言って受け取ると一番奥の窓際の席へと向かうのであった。


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