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「…雪刃」


「ん?」


俺はくすっと笑うと雪刃に手を差し伸べた。彼女はきょとんとしたまま俺を見つめていたが、おずおずと手を出して握った。


「よろしくな」


「うん」















吸血鬼は年を取らない。それは俺も雪刃も同じだ。けれど見ている世界が違う。雪刃はこの国を見ているけれど、俺は彼女を支える存在(ひと)でしかない。それが無性に悲しみとなって苦しめる。


いつか彼女が遠い人になってしまいそうな、そんな気にもなったりする。




「……誰だ」



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