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ー 一年前 ー
「はぁ…はぁ…っ」
「お前、血が足りないのか?」
「関係ないでしょ…向こう行ってよ」
「いや、行かない。」
「なんでよ!あたしをバカにしてるの!?」
「…別に?あんたが今にも死にそうな顔してるからほっとけないだけ」
よ…っと、彼は地面に降り立つと振り返る
同じ吸血鬼らしく、牙が妖しく光ったのが見えた
「…あなた、吸血鬼?」
「ああ。一応な」
「…一応って…」
「そういやお前、雪刃姫だろ?」
「っ…なんで「知ってるのかって?それは俺がお前にとっての大事な人だからだ」
「大事な…人?」