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「姫のご登場ともあらばこうしなくてはね」
そう言うと颯真は跪いて、あたしの手の甲にキスを落とす。
颯真はあたしたち一族とは似て非なる存在で、未来永劫な存在であり彼に"死"はない。違うのは強い能力や魔力を源にして生きているってこと。
「俺も忠誠を誓うよ、姫君。君を傷つけない」
「…でもあなたは敵よ。それに悠兎を傷つけるなら許さない」
「おっと、そう怖い顔をしなさんな姫君。…でも能力を手に入れるまでは毎回こうして来るよ」
にこりと笑うと空を見上げた
「ああ、そろそろ行かないとな。…またね姫君と忠犬くん」
風が舞うように彼は消えた。
「…雪刃、俺は何があっても君を守る。颯真からも他の奴等からも」
「うん、ありがとう」
「愛してる、雪刃」
「あたしも愛してるわ、悠兎」
お互いに口づけを交わすと、目が合って互いに微笑んだ