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「翡翠悠兎が会った、魔蠣聖奈って子。元神子なんだよ」
「…神子…」
「そう、神子。確か神子は魅血鬼に仕えてたんだよね?でもある時反乱を起こして仕えるのをやめた」
「…だからどうしたって言うの」
「そんな姫さまにいい人をあとで会わせてあげるよ♪…まずはそこの狼を倒さなきゃね?」
「ぐっ…!!」
「悠兎!!」
手元に赤い血が広がる。
鎌の刃先は脇腹を貫通していてぽたぽたと血が垂れていた。
「お前…忍者か何かか?早過ぎだ」
「あはは忍者じゃないよ?♪僕は…お姉ちゃんが欲しいだけ」
「さようなら」
姫弥乃がそう言い、ザシュ、と音がすると同時に鎖鎌は勢い良く抜けて悠兎は後ろに倒れた
「悠兎!!」
あたしは駆け寄って抱きしめる
「さ、邪魔者も居なくなったし。…お姉ちゃん一緒に来て?♪」