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雪刃が、ふっと微笑んだ瞬間だった。
突然ゆっくり倒れてきた雪刃を抱き留める。
「…雪、刃…?」
目を閉じたまま動かない彼女の腹部を見て固まった。刺さった銀の刃が血を吸っていたのだ。
「これは…!?」
「はぁい、悠兎くんはじめまして♪」
「!!」
可憐な少女は手をひらひらと振ったまま近づいてきた
「…噂は颯真から聞いてるわ。私の名前は魔蠣聖奈。"元"神子よ」
「神子…!?」
神子は昔魅血鬼の下で仕え、主従関係だった。しかし反乱が起こると神子は次々と魅血鬼を殺し絶滅へ追い込んだと言う。
「…何故そんなやつが颯真の下に?」
「計画に賛同したからよ?楽しそうだったし。私ね、楽しいことが好きなの」
「!…(なんだ!?今一瞬殺気が…)」
「アナタはなかなか骨がありそうね」
彼女は、にこっと笑うと刀を引き抜いて血をペロリと舐めた
「計画ってなんだ?」
「勝ったら教えてあげる。死んだら…アナタごと"力"を貰うわ」