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カキィン…カキィン…っと金属がぶつかる音が響く
「くっ…(強いな…このままじゃ…)」
「どうした?その程度か、お前の能力とやらは」
「ぐ…まだまだ…」
「…そこまでよ」
「その声は…姫?」
「雪刃…!!」
「颯真、それ以上は違反になるわよ」
「おや、そうだったかな?」
「引いて」
雪刃は颯真をキッと睨みつけて従わせた
「姫…な…にを…っ」
「勝手ながら"貴方の身体を従わせさせてもらった"わ」
「そう…か…しかし」
「!!」
次の瞬間、颯真は呪文を唱え抜け出した
「解除♪」
「…抜け出した!?」
「すぐは捕まれないからねーそれじゃ♪」
「待て!!」
「いいのよ、悠兎」
「けど、雪刃…!」
「いいから。…私たちも帰りましょ」
悠兎はしばらく黙ったあと、舌打ちすると雪刃の後を追った