10/39
10
「…颯真」
「んー?」
「決着をつけよう」
手のひらに炎を灯すと颯真のいる場所へ真っ直ぐ向けた
「そう来るなら…俺も覚悟をしないとね」
ジャキ…っと刀を鞘から抜くと悠兎のほうへ向けた
「「勝負だ」」
-魅血鬼 鬼城-
「姫様、そんな顔をして如何致しました?」
「…退屈なだけよ」
「その割には"面白い"という表情ですが?」
「貴方にはそう見える?」
「ええ、とても」
雪刃は、にっと笑うと立ち上がりマントを羽織った
「どちらへ?」
「少し、"面白いモノ"を見物にね。留守は任せるわ。何かあったら伝書蝙蝠で知らせてちょうだい」
「承知致しました。姫様にご武運を」
「ありがとう、行ってくる」
雪刃は給仕にそう告げるとあっという間に飛び去った