黒猫は囚われる
月夜は、パチンッと頰を叩かれて、ベッドに倒された。
「自分勝手に得物を返すなど、どれだけの人間が迷惑を被ったか、叩き込み直すしかないようだな!」
自分を叩いた年配の男を見て、月夜は睨む。この男こそ、怪盗シルバーを生み出した雇い主である宇佐美将臣だ。
「わしに楯突くとは、生意気なやつめ!十夜とは、似ても似つかないな!」
宇佐美は、月夜のズボンを下げると、自分のモノを押し当てた。
「ああ!!」
まったく愛情の欠片もない行為に、月夜は冷や汗をかく。
「もっと、十夜を見習え!怪盗は、美しくミステリアスで有るべきなのだ!!」
「ぅ゙うっ…!!」
この男は、いつもそうだ。自分の理想を他人に求め、そして、それに逆らえばバツを与える。こうして、怪盗シルバーは作られてきたのだ。行方不明になった十夜も、宇佐美のお気に入りとして、美しく謎のある怪盗へと変貌してきた。その姿は、宇佐美の理想となっていた。
『兄さん!…一体、どこにいるの兄さん!!怖いよ!!』
月夜は、涙を浮かべた。
ある花屋は、綺麗な女性が働いて繁盛していた。
「ありがとうございます。」
「お姉さ〜ん。僕にも、一輪ください。」
声をかけた青年に、女性はにっこりとする。
「あら、月夜。いらっしゃい!今日は、何をご所望?」
「いつもの薔薇を一輪。青いのがいいな!」
そう言って笑顔を向けると、女性もにっこりと笑って返す。
「ええ、分かったわ。ちょっと時期が過ぎてるけど、構わないかしら?」
「いいよ。」
女性は、客が居ないことを確認し、店の奥に入っていく。しばらく経つと、青い薔薇と呼ばれる青い手紙を持ってくる。
「その、左頬の傷。聞いたわ、得物を持ち主に返したって。宇佐美さん、激怒したんじゃない?」
「まあね。こうなることは、分かっていたから、仕方ないよ。」
女性は、頬に手を当てる。
「あなたは、優しすぎるわ月夜。何も、十夜の後を引き継がなくても良いのに…。」
「李、言いっこなしだぜ。あの宇佐美が、それを許す訳がないだろ?」
李と呼ばれる女性は、ため息を吐く。
「私はね、十夜のようにならないか心配してるのよ。あなたまで居なくなってしまったら、皆が困ってしまうわ。」
月夜は、ニッと笑う。
「そうならないように、怪盗をやってるんだろ?一刻も早く、十夜兄さんを探さなくちゃいけないんだ!」
言いながら、月夜は手紙の中身を見る。
「ふ〜ん。豪邸のお宝ねぇ。」
「この男、気をつけたほうが、良いわよ。完全に裏組織と繋がっていて、周りには用心棒が沢山いるわ。」
「用心棒ねぇ。」
「元殺し屋も居るんですって。この神谷健蔵という男、とんだ娯楽者で、度々晩餐会をして人を集めているの。そして、その晩餐会に呼ばれた人たちは皆、廃人になったり、行方不明になったりしているみたいよ。もしかしたら、十夜の事も知っているかもしれない!」
月夜は、健蔵の写真を見て、チラッと宇佐美の顔を思い浮かべてしまい、胸糞が悪くなる。
「…同類だな。十分にありえる!」
「え?」
「なんでもない。それで、これが例の得物?」
「そうよ。世界に一つしかない、黒真珠。それを、狙っている者は多く居るみたいだけど、いまだに誰も手を触れたことが無いと言われているわ!」
写真を見て、月夜は驚く。
「それにしても、デッカイ真珠だなぁ〜!こんなの、どうやって手に入れたんだ!?決定!次の得物は、これにするよ!」
「え!?皆の意見を聞かないで良いの!?」
月夜は、手紙をヒラヒラと振りながら店を後にする。
「問題無い無い!皆、賛成してくれるさ。」
「もう。心配だわね…。」
李は、月夜の背中を見てため息をつく。店の側に止まっていた黒いボックスカーの横に、月夜は足を運ぶ。
「フュー、ジェリー、俺だよ!」
月夜が、取っ手に手をかけようとすると、声が返ってくる。
「人は城、人は石垣、人は堀…。」
それを聞いて、月夜はムッとする。
「情は味方、仇は敵なり!」
言うと、ドアが開く。
「ようこそ月夜〜!」
いつも、イヤホン越しに話していたフューが、笑顔で迎える。
「なんかさ、これっていつも思うけど、原始的じゃねぇ?」
合言葉に、月夜は不満をぶつける。
「仕方がないじゃないか、月夜く〜ん。俺らは、日陰に住む生き物なの!いつ、いかなる時も、気を抜いてはいけないのだよぉ!」
フューは、月夜の肩をポンポンと叩く。
「そりゃそうだけど…。あ、それより、李からもらった得物だぜ!大物間違いなし!大金が舞い込んでくるぞ!」
月夜の提案に、フューはため息を吐く。
「お前なぁ。いきなり、ハードル上げすぎだろぉ?前回の得物の、ことでとっつぁんに酷い目にあわされたんだろ?確かに、怪盗と響は良いが、人様の物をちょうだいする黒い仕事さ。そして、その一品には、多くの人間が動いて利益を得る。だが、お天道さんの側に居る人間にとっては、単なる犯罪者だ。そして、お前もこちら側に足をつけたからには、優しさなんて邪魔なだけだ。だから、お前にとっては親切心で得物を持ち主に返したかもしれないが、俺たち日陰の人間には、その情は捨てるべきだ!お前は、まだ怪盗になりたてで、すぐにでも引き返す事ができるんだぞ?」
フューの意見に、月夜はそっぽを向く。
「もう、抜けることなんかできるかよ!だから、俺に前回の事を無い事に出来るチャンスをくれよ!!」
月夜は、フューの顔を強い眼差しで見る。それを見て、フューは空を仰ぐと、月夜の肩に手を置く。
「わーった!お前が決心してるなら、バックアップは俺たちに任せろ!」
フューの言葉を聞いて、月夜は笑みをこぼす。
「フュー、ありがとう!」
二人は、ニッとお互いを見る。
「そうと決まれば、前は急げだ!ジェリー、用意は出来てるか?」
フューが、後部座席に声をかけると、小さな身体の少年が、顔を黒くして顔を上げる。
「バッチリだよぉ!月夜、武器の調子はどうか試してみてぇ!」
「オッケー!」
※
三人は、パンを食べながらアジトで話し合いをしていた。
「…成る程なぁ。裏の連中が相手か。それに、神谷健蔵ってヤツ、名前を聞いたことがあるぞ。薬のバイヤーだ!それも、あまり世に出回らない物を手に入れてるって話しだ。だから、用心棒に要注意だな。」
「薬中のオッサンか。やべぇな。」
「武器も、グローブとブーツを強化しておいたよぉ!どんな硬い物でも簡単に割れちゃうし、防御力もある。だから、ちょっとやそっとの弾丸なら跳ね返せるよぉ!」
ジェリーが渡してくれた物をはめてみて、月夜は確かめる。
「前回より少し重いけど、これなら、防御力が心強いな!動きづらいこともない!」
月夜は、アジトで色々と動いて見せた。
「よし!装備は良しとして、問題はこの健蔵のいる豪邸の場所だなぁ。見てみろ、崖の上に建っていて、断崖絶壁だ。道は、一本道しかない。」
フューが、地図を指さす。地図は、ジェリー特製のドローンで作られた。
「うおっ、マジか!」
「お宝を手に入れたとして、受け取るのは崖下しかないよなぁ。それには、クルーザーが必要だ。あそこは、海に繋がっているから、船さえあればサポートできなくはない!」
フューは、う〜んと考え込み、ある人物に電話する。
「おう、バスク。お前、クルーザーの資格持ってたりしねぇ?お、マジ!?じゃあ、頼むわ!」
フューは、電話を切って振り返る。
「こっちの方は、問題無い。後は、お前んとこだな!」
「ああ。李が、予告状を出してくれてるから、問題無いと思うぞ。」
月夜は、一条探偵事務所に足を運ぶ。
「月夜くん、来たのかい。こっちには、怪盗シルバーの予告状が届いたと、轟警部から連絡があったよ。一緒に行くかい?」
「は、はい!お供させていただきます!」
月夜は、目を輝かせて言う。これで、健蔵の豪邸に入る口実がつくれる。
「でも、君。礼服、持ってる?」
『礼服…?』
「だ、大丈夫です!」
月夜は、フューに連絡して礼服を仕立ててもらうのだった。
※
「この度は、どうぞお越しになりました。一条様ご一行ですね?どうぞ、お入り下さい。」
執事と思われる年配の男が、入り口の前で招待状を見ている中、一条がずっと身体を震わせて何かを堪えていた。月夜は、それを見て複雑な気持ちになる。
「入り口に入れました。もう、笑いをこらえなくても大丈夫ですよ。」
月夜が言ったと同時に、一条は涙をためて腹を抱えて笑っている。
「言いたい事は、分かってますよ。孫にも衣装って言いたいんでしょ!?どうせ、僕は顔が童顔ですよ!これでも、二十三歳なんですけどね!」
「い、いやぁ。よく、似合ってるよぉ〜!」
言葉とは裏腹で、まだ腹を抱えている。
「一条さん。いらしていたのですね!」
中から、轟が部下を引き連れて来る。
「轟警部、遅くなりました。例の物は?」
一条は、ようやくもとに戻る。
「神谷さんも、酔狂な方です。黒真珠を、会場の中央に飾っているのです。」
一条と月夜は、それを見て、おおっと声をあげる。
「なんと、とても大きな黒真珠ですねぇ!」
「世界には、これほどの物はないでしょう!ですが、神谷さんは用心棒を側に置いていて、一度も盗まれたことは無いといっています。」
轟は、一条に耳打ちする。
「実は、神谷健蔵には、薬物のバイヤーだと言う噂がたっています。なので、建物の奥まで我々に場所を提供しないで、ここだけ守らせているのです。もしもの場合は、なんらかの方法でヤツを捕まえる手はずになっています!」
「成る程。私も、少々調べましたが、彼は外国にしょっちゅう足を運んでいるようです。その筋は、確実だと思われます。」
一条と轟は、うん、と頷く。
「それにしても、異様な雰囲気の会場ですね。何か、皆妙なハイテンションだったり、脱落した感じだったり…。」
「ええ。この職業をしているからなのか、あの嫌な悪臭が立ちこめている感じがします!」
轟が、鼻を摘む。そんな三人の所へ、その人物が姿を現す。
「これはこれは、お仕事ご苦労様です。どうです、あの黒真珠は?中々に、美しいでしょう。まあ、盗人がどうやってあの宝石を取るのか見ものですが、こちらにも雇っているプロが何人も居る。肩を楽にして、盗人が捕まる所を見ると良いですよ。では。」
そう言うなり、神谷は一瞬月夜の方を見てニヤリとすると、何処かに身を潜めて行った。その後には、三人のボディガードが立っていた。
「いけ好かないヤツですな。」
「まあ、とりあえず晩餐会の会場を見て回りましょう。」
一条の言葉に、轟も頷く。
「月夜くんも、人混みが凄いからはぐれないように…って、あれ?」
一条は、月夜ともう逸れたことに気がついた。その月夜は、会場を見回った後、フューの指示を待っていた。
「どうだ。会場の見取り図は、大体分かったか?」
「ああ。だが、一つ問題が発生した。」
「何だ?」
「外を見ろ。急に、大雨が降ってきやがった!」
フューに言われるまで気がつかなかったが、窓の外は打ちつける雨で水浸しになっていた。
「クルーザーでも、岸の近くまでたどり着くことができなさそうだ!だから、得物を手にしたら、すぐに合図してくれ!近くまで接近してみる!」
「了解!なるべく、早く済ませるよ。」
月夜は、雨が少しでも落ち着いてくれるのを祈った。そして、あの黒真珠の飾ってあるブースの前に近寄った。
『さて。こんなに堂々と置いてあるんだ。相当な自信を持ってるんだろう。なら、まず明かりを消して…。』
考えていると、不意に声がかかる。
「君も、興味があるのかい?」
それは、神谷だった。
「え、ええ。こんなに、デカい黒真珠を見たことがないもので、興味をそそらせまして…。」
『あっぶねぇ〜!変な臭いのせいなのか、まったく気配に気がつかなかったぁ〜!』
月夜は、冷や汗をかく。
「そ、それじゃあ。連れが、探していますので…。」
「まあ、一杯付き合いたまえ。せっかくの晩餐会だ。最高級のシャンパンをどうだね?」
神谷は、グラスを差出してくる。
「えっと…。今は、仕事なので…。」
「未成年ではないだろう?一口だけでも飲んでみたらどうだい。」
しつこい神谷に、月夜は渋々グラスを受け取った。
「そ、それじゃあ、一口だけ…。」
月夜は、本当に一口だけ口に含んだ。それを見て、神谷は笑う。
「そう。それで良い。」
月夜が、口に含んだところを確認すると、満足いったようで、それ以上は進めてこなかった。
『これ以上、飲んで酔っ払っていられないっての!』
「とても美味しかったです。ありがとうございます。」
月夜は、残りをウェイターに渡した。
「楽しんでいきたまえ。」
神谷は、再び姿を晦ました。それを見て、ため息をつくと、一条たちが本当に居ない事に気づく。
「二人とも、何処に行ったんだ?」
そこへ、フューから連絡が入る。
「待たせたな、月夜!ようやく、岸の近くに着いたから、装備をこの場所に置いておいた。行けそうか?」
月夜は、渡されたグラサンをかけて、映し出された地図の位置を確認する。
「一番奥の左のトイレだな。了解!」
月夜は、足早にその場に向かう。すると、点滅している位置に、しっかりと装備が置いてあった。
「さすがはフュー!バッチリだぜ!」
「それで、どうやって得物を取るつもりだ?」
月夜は、フューの質問に答えながら、上着を脱いでグローブをはめる。ジェリー特製、パワーグローブだ。
「それは…。ん…?なんだ、…急に目の前が…。」
月夜は、目の前が暗くなっていき、身体に力が入らなくなる感覚を感じた。そして、自然とその場に倒れてしまう。
「一体、どうした月夜!?おい!」
「あっはっは!やはり、こやつが怪盗シルバーだったか!連れて行け!」
月夜は、神谷の手下に運ばれてしまうのだった。
※
幼かった頃。ドアの向こうで、宇佐美と寝ていた十夜の姿が目にこびりついていた。
「わしの可愛い十夜。お前は、美しい。また、輝かしく活躍してくれよ。」
「はっ、はい…!あぁ~!!」
宇佐美にとって、弟の月夜はオマケでしかなかった。そして、宇佐美は憂さ晴らしに月夜を痛めつけていた。そんな月夜を庇っていたのが、十夜だった。
「月夜、いいかい。嫌なことは、全部兄ちゃんが引き受けるから、お前は自由にしていれば良いからな。」
そう言って、頭を撫でてくれた。今では、その十夜もおらず、宇佐美のシゴキはますます月夜にいった。
「見てみろ。なぁんと、美しい肌をしているんだ!傷一つ見当たらないじゃないか!」
男の声で、月夜は徐々に目を覚ましていく。なぜか、両手を鎖で繋がれて、ベッドの上で大の字にされていた。そして、神谷に服のボタンを外されていた。
周りを見てみると、ホルマリン漬けにされた人間たちが飾られていた。そして、一つだけ小さな頭だけの物があり、目を見開く。
「…に…さん…!?」
それは、まぎれもない十夜の頭だった。
「吸い付くような肌だぁ!楽しんだら、お前もコレクションの中に入れてやるぞ、怪盗シルバー!」
「…くも。」
「ん…?」
「よくも、…兄さんを…!!」
月夜は、パワーグローブをつけていたため、力を入れて鎖をちぎった。そして、神谷の頬に一発入れて吹き飛ばす。
「ぐあぁあ〜!!」
中の物音に気が付き、用心棒たちが入ってくる。すかさず、銃が飛び交い始める。月夜は、ベッドを持ち上げ盾にする。すると、一つの弾丸が右肩をかすめる。
「や、やめろぉ〜!私のコレクションに、手を出すんじゃない!!」
「し、しかし、神谷様…!」
「傷がついてしまったら、どうしてくれるのだ!!」
神谷は、もはや狂った模倣犯だ。人として、月夜を見ていない。月夜は、横に置いてあった怪盗シルバーの装備がある事に気が付き、急いで身に着ける。そして、神谷たちが言い合いになっているところへ、紛れて攻撃を食らわせていく。ジェリーの武器は、とても優秀で、弾丸を跳ね返したり、相手の顔に一撃でノックアウトさせるほどの威力があった。
「今、打たないと、逃げられてしまいますぞ!」
「打つなぁ!打たずに捕えるのだぁ!!」
「そんな、無茶な…!」
月夜は、部屋を出て行くと、隣の部屋には、薬を吸っていた連中がウヨウヨいた。その臭さに、鼻を押さえる。
「クソッ!なんて奴だ…!」
月夜は、一気にブレーカーを落としに行った。すると、会場内が暗くなり、どよめきが起きる。
「なんだ、急に…!?」
一条と轟は、側に居た。
「ヤツでしょうか?」
「おそらく!」
そうこうしているうちに、ショーケースが割れる音がして、怪盗シルバーが姿を現す。手には、黒真珠を持っていた。轟は、手元にあった懐中電灯で、シルバーを映し出す。
「怪盗シルバー!大人しく、お縄につけ!」
「相手が違うのでは?会場の奥には、ホルマリン漬けにされた人間たちが、何人もいるというのに。」
「な、なんだと…!?」
轟が、合図すると、会場内にいた警官たちが会場の奥に入っていく。その間に、シルバーは窓を割って外へ出て行った。一条は、それを見送る。
「どうやら、今回は神谷の手の中で踊らされていたようだな。」
シルバーは、イヤホンでフューに連絡する。
「悪い。少し手こずった!」
「おい、大丈夫なのか!?」
「まあな。それより、ドローンに得物をつけた。後は、頼んだぞ!」
「おうよ!」
ドローンが、嵐の中飛んで行くのを見送り、急いで中に戻ることにした。
「月夜くん。何処にいるんだ!?」
会場内では、明かりが復旧し、一条が探していた。
「ここです、一条さん!」
一条は、ずぶ濡れになった月夜を見る。
「一体、何があったんだい?それに、その腕の傷…!」
「大したことありませんよ。ただ、神谷に捕まってしまっていて、危うくコレクションの一つにされるところでした。」
会場内を、轟たちがうごめき、神谷を逮捕していた。
「あいつだ!あいつが、怪盗シルバーだぁ〜!!」
神谷は、薬を大量に摂取しており、引っ立てられていた。もちろん、用心棒たちも例外ではない。
「一条さん。今回は、怪盗シルバーに奴らの悪事をバラしてもらったものの、得物は奪われてしまいましたな。」
「ええ、仕方たがありません。ですが、大手柄でしたね。」
「神谷の悪事を暴き出す事ができたのは、上々でしょう!これから、この豪邸内を洗いざらい調べるところです。これから、忙しくなります。では!」
轟は、一条に敬礼すると、急いで後始末をしていた。
「帰ろうか。」
「はい!」
一条たちは、会場を後にするのだった。




