第2話 異変
(今日も疲れたな……早く寝よう)
リンネとのお茶会を終えた後、アルケは家に帰ろうと王宮の廊下を歩いていた。
外では夕日が輝いていて、空がオレンジ色に染まっている。
(綺麗だな……)
そう心の中で呟いた次の瞬間……
「っ……!?なんだ……!?」
急にオレンジ色だった空が水色になり、太陽が高い位置で輝いていた。
一瞬にして夕方の空が、昼のようになってしまっていた。
「どういうことだ……!?」
慌てて外へ飛び出すと、王宮の者たちも戸惑っているようで、皆不安そうに空を見上げている。
その時、急に空が真っ暗になって、その後すぐ夕方に戻った。そして、また昼の空になり、一瞬で夕方に戻る。それがしばらく繰り返されていた。まるで1日が早送りされているかのように。
それを見てアルケは直感で理解した。これはただ事ではない、と。
「これは何事だ!?」
「天変地異か!?」
「私たちはどうなってしまうの!?」
王宮の者たちはパニックになり、騒然となっていた。
「皆さん落ち着いて……」
アルケ含め、数人が冷静さを保つよう呼びかけるが、効果は薄い。謎の現象で人々は完全に混乱していた。
どうすればいいんだと悩んでいると、一つの声が響き渡る。
「皆さん、どうか落ち着いてください」
声の主はルイザだった。
彼女が現れた瞬間、人々は一気に静まりかえる。
「る、ルイザ殿よ!」
「一体何が起きているの?これは夢?」
人々はルイザにすがるように聞いた。
しかし、彼女は落ち着いた声で答える。
「現象はおさまっているので、しばらくは大丈夫でしょう」
その言葉で、人々は少し落ち着きを取り戻したようだったが、まだ不安そうな表情を浮かべていた。
アルケも彼女の言葉を信じつつも、何か嫌な予感を感じていた。
すると、宰相が現れて口を開いた。
「陛下から命令だ。これより緊急会議を開くので、大臣や騎士団長など、各代表者は直ちに会議室へ集まれとのことだ」
緊急会議という言葉、王宮の人々は皆緊張で強ばった顔つきになった。ヒソヒソと不安そうな話し声が聞こえる。
「そして、緊急会議に出席しない者は、直ちに家に戻るように。王宮での仕事が残っている者や、侍女、召使いなど王宮住み込みの者は、王宮に戻ること」
宰相はそう告げると、足早に去っていった。
その場にいた者たちは急いで帰り支度を始めたり、他の者に帰宅を促すなどし始めた。
アルケも家にすぐ帰るようにと言われたため、王宮を去ろうと歩き出す。
一瞬振り返ると、ルイザが王宮に戻っていくのが見えた。
(なんだろう……ルイザ、なんか様子が変だったな……)
彼女の様子からどことなく違和感を感じていた。しかし、その正体が何かまではわからないままだった。