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ツヅル・ズルツール 1

たぶんね、誤字脱字があると思うの。

奴らはね、埃といっしょなの。

消しても消しても湧いてくる、ゾンビよりたちが悪いの。

だからね?見つけても優しく教えてね?

お掃除はみんなでやるものでしょ?

ちょっと男子ー!叩いたら増えちゃうでしょー!

あっ。

今回後書き長いですが読まなくてもダイジョブです!

特に重要なことは書いてません。

死に設定をさらしただけです。

それでは本編どうぞ!

転生者である私、柿手かきて つづみには同じく転生者の兄、柿手かきて つづるがいる。

兄は地下2階プラス4階建てというオタクの城たる、我らが実家の数えきれないほどの蔵書を読み切り、血涙を流した。


「我、ハピエン厨なり。しかし、この世界の物語はハピエンを至高としながらも薄味すぎる。これでは満たされぬ、満たされぬのだァ!」


兄の言葉を聞いて私はまあ確かに、と思った。

2度目の人生の舞台たるこの世界の創作はなんというか薄いのだ。

アンデルセンの人魚姫が読みたいのにリトルなマーメイドを視聴させられた、という様な感じ。

わかりやすく言うと、二郎系を食べようと思ったらあっさり貝出汁が出てきたみたいな。

わからない?

うまく伝えられないが、とにかくサブカル大国の現代日本人には肌が合わないということだけ理解していただきたい。


「兄よ、そんなにこの世界の創作が気に入らないならアレをするしかないと思うぞ」


「アレ?アレか、アレね。はいはいアレですか。はいはいはいそうですねー。アレしかないですよねー。あぁああ……やりたくねェェェ!!!!」


心底やりたくないというのを隠そうともしない兄。

まあわかるよ。

異世界に転生したから前世では体験できなかった物語を満喫しようと思っていたのにまた書けと言われたら嫌な気分にもなる。

私も兄も前世では創作畑の人間。

死ぬまで作り続けて満足しているのだ。

来世は消費専門になろうと思っていたのにこれだ。

しかし、私は兄に残酷な事実を伝えることにした。


「でもさー、兄よ。結局、我々創作者は作ることをやめられないと思うのだよ。私も転生なんて体験をしたせいで今もアイディアが溢れて止まらない。兄もそうだろう?」


「ぐっ……うっ……あ、あぁあああると思いますぅ。そんな事、あると思いますぅ。拙者、もう脳内プロットがケツ拭き紙にできるレベルで溜まっております……」


「でしょうな」


やはり、三ツ子魂永遠也。

我らが始めた物語は終わらない。

もう魂に、漂白剤でも落ちないレベルで創作意欲がこびれついてるのである。


「書きます……。拙者、伝道者やりまする……。元プロのハピエン厨の底力見せつけるでござる。妹者も後に続くなりよ……」


「兄者……。わたくしは畑違いなれど兄者を応援していまする」


私たち兄妹は決意した。

オタクの楽園で鍛え上げられた妄想力でこの世界に新たなる物語を布教するのだと。

まあ、それはそれとして。


「兄よ、そろそろ学校に行っては?入学式プッチした上、もう一学期終わるぞ?」


「……この家の蔵書量が頭おかしいせいです。歩けるようになってから、食事中だろうとトイレだろうと風呂だろうと、ずっっっっっと読んでいたのに読破が小学生になるまでかかるって異常だって」


「まあ、自分の子供が転生者であることに物語の始まりかとソワソワした沼の住人が生涯かけて集めたものですから」


「やっぱ、うちの両親おかしいよ」


同意。






それはともかく。




あれからしばらくして、兄はこの世界における処女作を完成させた。

一応、発表前にこの世界で我々より先に創作者を生業としていた両親に検閲してもらった。

我々の作品はこの世界でも通用するのか、それを判断してもらうためだ。

そしてその結果がこれだ。


「神よッ!おお、神よ……ッ!」


「息子が神だった。ということは神を養える?」


兄が宴会芸の十八番、ちくわで雅楽を披露する前でひたすら拝み続ける両親。

兄よ、それやめろ。

なんか厳かな雰囲気になる。

しかし、あーうん、これはだめですね。

完全に神作家に出会ってしまったオタクのルーチンです。

これは私の不審者撃退用音の呼吸壱の型で正気に戻さなくては。


「へけっ!(120dB)」


両親は正気に戻った。


「いやーそれにしても異世界の作家はすごいな。これほどの神作がありふれているというのだろう?この世界じゃ考えられないよ」


「そうねぇ。ストーリーもこれがありきたりなんて言われちゃ、わたしたちの立つ瀬がないわ」


通常状態に戻った両親は兄の作品の感想を言い合う。

兄は何作かアニメ化する程度には人気があった作家なのでみんながみんなこのレベルの作品を書ける世界であったわけではない。

が、今回の作品は前世だったらそこまでの人気は出ないだろうというレベルだ。

やはりこの世界の創作はレベルが低いのかもしれない。


「読みはじめたときは音楽で青春ものだなんてどうなるかと思ったが、もうエモいしか言えん!」


「ホントホント!しかも作中で人が死んでるのに感動させられて、読み終わった後にこんな清々しい気持ちにさせられるなんて思ってもみなかったわ!」


ふむふむ、おおむね好評、と。

ちなみに兄の処女作の名前は『メロディーライン』。

いきなり音楽青春ものを書き始めたからどうしたのかと思ったら、私が兄に最近話した前世で出会った関係性がエモかったバンドトップ3に影響されたらしい。


「父さんも母さんも気に入ったみたいだし、投稿サイトに掲載しちゃおうか」


「そう言えば兄よ。ペンネームはどうする?なんかいいの決まった?」


兄は前世では本名で執筆していたタイプの作家だ。

以前、二度目の人生では正体を明かさない、もう二度とテレビには出ない、と強く言っていたのでペンネームを名乗るのだろう思っていたから聞いてみた。

何でそんなこと言うのかと思うかもしれないが、あれはたぶん前世で一般からの認知が宴会芸の人であったことを気にしているのだろう。

それはあんたがテレビ出演のたびに宴会芸を披露するせいだと思うが。


「もうペンネームは決まっている、その名も『ツヅル・ズルツール』。ツヅルは本名だがズルツールは前世というズルをツールとして使っているという意味でつけた!どうだ、いい名前だろう!」


「ふーん、じゃあ私が活動するときはツヅミ・ズルツールにしようかなぁ?」


「いいじゃん!兄妹で創作してる感が出るな!いつかは合作、だな!」


嬉しそうにしているが前世で既にコラボはしているだろう。

前世の私は作詞作曲の仕事をしていた。

だからアニメの原作者と音楽プロデューサーとして一緒に仕事したはずだ。

忘れているのか?

私のあだ名、音柱巨神兵リクームを知っていたのだから私のことは覚えているはずだが。


「なんだ、鼓も何か作るのか!一体どんな作品を作るんだ!?」


「鼓ちゃんは女の子だからプリンセスとか魔法少女とかキラキラしたのかしら!」


「私は音楽畑の人間だからあんまり物語とかは書かないよ?まあ、MV用に一応絵は描くけど」


「「音楽ゥ!?」」


あっしまった。

兄が書いた作品がどんなものか忘れてた。

これはリクエストされてしまう。

私は何の縛りもなく自由にやるつもりだったんだが。


「……鼓?曲が作れるなら、お父さんたちのお願いを聞いてくれないか?」


「できたら、できたらでいいんだけど。『メロディーライン』の曲を作ってみてくれないかしら?」


あー。

はい、予想通りです。

まあね?兄にネタを提供したのはね?私だからね?彼らの元となったバンドの曲も知ってるからね?作れなくはないんだけどね?


「あらら。さっそく合作になりそうだな?でも拙者のことは気にせず、妹の好きに作っていいぞ」


「はいはい、兄の気に入るような楽曲をパパっと作りますよー」


そう言うとなぜか兄ではなく両親が歓声を上げた。

いや、どんだけ『メロディーライン』の曲が聞きたいんだよ。

ハマりすぎでしょ。

待てよ?

これ、適当に作ったらファンから叩かれるんじゃない?

炎上不可避案件では?


「ちょっと作るの怖くなったので、完結後まで掲載終わってから読者の反応見て作ります」


「おお、さすがは消費者側の生産者と呼ばれた女。みんなが求めるものを作るのに余念がないな!」


違うわい!

叩かれるのが怖いだけだやい!




その後、本編完結後に立ったスレで狂信者が誕生しているのを見て、私の判断は間違っていなかったと過去の自分に感謝するのであった。

拙者、びっくりするぐらい飽き性でござる。

そして忘れっぽいでござる。

だからエタり率がバカ高いのでござる。

今まで何作品投稿した?

一個も完結してないよね?

拙者、脳内プロット派だから続きもう書けないよ?

どうすんの?

って、いつも自分を責めてます。

でもね?

書き続けていたら人気出たかもしれないのにー、とか、ちゃんと完結させろよ、って言ってる君に言うけどね?

てめぇも書け。

そして俺に読ませろ。

ブクマしてやるから、こんなん書きましたってメッセ送れ。

今宵の我は活字に飢えておるぞぉ!

といったところで本編に入れられなかった設定を少し。

兄は前世は作家といいましたがラノベ専門です。

一般では書いてないので彼の作品はまあまあオタクじゃないとなじみがありません。

っていうのはどうでもよくて。

彼の前世は若手敏腕社長兼ラノベ作家で、どちらかというと社長として有名でした。

ってこともなく、若手敏腕社長としてテレビに御呼ばれしたのにすぐ宴会芸を披露するのでマジで一般からの認識は宴会芸の人でした。

ちなみに社長が率先してクオリティの高い宴会芸をやるので社員も気持ちよく参加するため、彼の会社の宴会は笑顔が絶えませんでした。

妹の方ですが彼女は前世、かなりの美貌の持ち主でした。

そのうえ性格もよかったため何度もストーカーなどの被害にあっていました。

そのため生まれたのが不審者撃退用音の呼吸です。

今回は壱の型を出しましたが一応他にも用意しています。

今後使うかは不明。

そしてもう絶対に本編では使わない設定が一つ。

それは彼らがお互いを兄、妹と呼び合う理由です。

彼らは前世でも面識があり前世の名前で呼び合った時期がある為、新しい名前で呼び合うことに違和感を感じています。

そのためお互いを兄や妹と分かりやすく呼ぶのです。

これ本編でどこにいれようかなぁ、とマジで悩んだのですがテンポが悪くなるので入れませんでした。

今後も死に設定です。

長々と失礼しました。

それではまた次回。

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