ワタシハ競イ合ウ
ここは、とある工場。
そこに、非常に優秀ではあるが、怠け者のエンジニアがいた。
エンジニアは自分の代わりに働く自動人形を作成した。
だがオートマトンは、工場で働いているうちに、壊れた。
男は考えた。そしてオートマトンが壊れる前に、新しいオートマトンを作るように、機能を追加した。
それから工場の操業は彼らに任せることができるようになった。
ところが、男はオートマトンが少しづつ、変わっていることに気が付いた。
オートマトンは工場の余り物を使って作っている。
工場で作るモノのラインナップが変わると、少しづつ形が変わるのだ。
部品の性能によって、オートマトンの性能は少しづつ変化した。少し遅くなることもあれば、かわりに力強くもなったり、その逆もしかりだ。
ある日、オートマトンは壊れる前に、たまに2体を作成するようになった。
ところが、工場で使われるオートマトン用の液体燃料、その数は予め決まっている。
工場では、作業が終わったオートマトンから先に、液体燃料を補給する。
作業の遅いオートマトンは、自身に液体燃料を入れることができなかった。
するとどうだろう。工場の中では、燃料補給にあぶれたオートマトンが、いくつも転がるようになった。
そんなことが繰り返されるうち、オートマトンの作業はとても効率的になった。
燃料を補給できるのは、工場での作業がより効率的なオートマトンだからだ。
男はそれを見て、工場に保管する燃料を減らすことに決めた。
――そうすれば、残ったオートマトンは、より優れたものになるに違いないからだ。




