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第七話 白馬の機兵様

私の名前はサーシャ・エスカリア。

浮遊王国であるエスカリアの王女です。

現在、私は都の中心部に居ます。

そこで暴れる、敵のものと思われる兵器を止めるために。

ですが.........


『23部隊からの報告です!敵の巨大機兵に攻撃が通用しません!』


私たちは今、追い詰められています。

街の中心部に空から落下してきたという、データにない新機体。

それには、私たちの兵器が全く通用しなかったのです。

勿論、より高出力の兵器が来れば倒せるでしょうが、あの機体は魔力場に干渉できるようで通信も届かず........


「姫様!ここは俺に任せて先にッ!」

「任せます!」


私の部隊は一人一人数を減らしながら逃避行を続けている最中という訳です。

街中での兵器の使用は禁じられているため、私が赴かなければ兵器の使用許可が下りない、そのことを理解していたからこそ、前線に出たのですが...........


「ごめんなさい、本当にごめんなさい........!」


さっき私を庇った兵士。

彼は私がここに居なければ、死ぬこともなかったでしょう。

曖昧な覚悟でここに来た私のために身を挺した........いや、挺させてしまった。

私は罪深い。けれど、罪深いからこそ生きながらえなければいけないと分かってはいます。

けれど............


「チィ!姫様、前が塞がってます!」

「突破します!重砲を前に!」


私の乗る王族専用の装甲車、その上部に取り付けられた重砲が前を向く。

そして.....爆音と共に前の瓦礫は吹き飛んだ。

そこを無理に走行し、何とか抜ける。

ですが...........


「ここまで、ですか.........」

「諦めないでください、姫様! お前ら、魔法銃を構えろ! 突破する!」


瓦礫を破壊したことによって生じた黒煙、それを抜けた先に広がっていた光景は————————機兵、機兵、機兵。

巨大機兵の姿こそ無いものの、夥しい数の多脚型機兵が私たちを待ち受けていました。

勝て.......ない。

私がそう確信していても、部下たちは諦めず前に銃を構える。


「舐めるなよ、帝国のゴミども。俺たちは..........弱くなんかねえ!」

「突撃!」


そして.....................次の瞬間、全ての機兵が音を立てて崩れ落ちる。


「————え?」


全滅を覚悟していた誰もが、驚きの視線を浮かべる。

なぜ突然、機兵が停止したのか。

ともかくチャンスなので、私たちは崩れ落ちた機兵の間を抜け、大通りへと急ぎました。




それからは驚きの連続でした。

機能停止したと思っていた機兵が後ろから追いかけてきたのですが、我々を助けるように動いたのです。

それに、民間人を背に戦う機兵や、機関砲を他の機兵に放つ機兵も目にしました。


「機兵が..........仲間割れを?」

「それか、全く同じタイプの別勢力の奴らかもしれませんぜ」


ならば対立している理由も説明できますが.......

しかし、民間人を助けるメリットは?

先ほど見た機兵は民間人を救出しながら戦っていたことで全身に損傷を負っていました。

どうして?

私の疑問は尽きることなく、装甲車は王城に向かって進んでいきました。


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