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第十七話 ゴミ掃除

次は一時間後です。

AVALONは縦穴の直上に静止した。

艦両舷上部、下部、第三艦橋の背後にあるハッチが開き、そこから人型の機兵が無数に飛び出す。

そして、縦穴内部へと降下していく。

縦穴内部の壁面には無数の穴や窓が存在するが、生命反応を検知して容赦なく機兵は破壊を続ける。


『縦穴最下層にID付与反応集中』

「大事な商品を失うわけにはいかないってことか」


俺は呟く。

まあいいや、これで遠慮なく破壊できる。


「機兵に高火力兵器の使用を許可する」

『了解』


機兵に搭載されているのは魔導ライフルと小型誘導弾、魔導小銃であるが、一応ほかの兵器も装備している。

発射後爆発し高熱をまき散らすインフェルノ・バスター、

基本どんなものも貫通するプロトイーター、

強化徹甲弾を三連射するトリプルバスター等々である。


『殺害数増大、二五〇〇から二六七九に増加』

「最下層には俺が直接降下する! 途中改装を殲滅しろ」

『了解、下部ハッチ開放』


俺は中央エレベーターを使い、最下部格納庫へと降りた。

そういえばここに来るのは初めてだな。


『降下しますか?』

「機兵を一体出してくれ、そいつに乗る」

『了解』


壁面の一部が開き、そこから機兵のボディが現れた。

壁というよりは、格納部分の出入口なんだがな。

戦闘時に内部の機体が被害を受けるのを防ぐために壁に偽装しているのだ。

機兵のツインアイがキラリと輝き、そのボディが駆動する。

そして、ロックが外れ、機兵はそのまま俺のもとにどしんどしんと歩いてくる。


「よし、行くぞ」

「................」


機兵は俺を乗せたまま、バーニアから火を噴いて降りていく。

道中、窓が内側から吹き飛んだり、悲鳴が響いてきたりしていた。

インフェルノ・バスターが結構な脅威だな。

そんなこんなで、俺たちは最下層へとついた。

既に機兵が侵入しているようで、奴隷商とその客の死体が無数に転がっていた。

特に奴隷に関して指示を出していないので、機兵が彼ら彼女らを襲うことはない。


「大丈夫か?」

「あ.......................だ.....ぶで......」


その辺のエルフっぽい奴隷に話しかけたのだが、混乱しているのか碌な反応が返ってこなかった。


『今のところ、バイタルサインに異常はありません』

「分かった」


数千居る奴隷のバイタルサインを監視するのは、通常の人工智核では不可能だ。

俺は機兵に命じ、前進する。

しばらく奴隷市場を進んでいると、レクスから通信が入った。


『その先200mの場所にバイタル異常発生、直ちに急行してください』

「分かった」


俺は機兵に全速を出すように伝え、その場所に向かって一気に突き進んだ。




その先では、獣耳の少女が倒れていた。

倒れたその身体から、赤色の液体が広がっていく。


「し、しまった..........大事な商品がっ!」


叫ぶのはそこそこいい身なりの男。

どうやら奴隷商のようだな。

状況を見る限り、機兵に狙われて咄嗟に盾にしたのか。


「ゲスめ...........」


障害物がなくなり、機兵が銃撃を行った。

奴隷商は逃げ出そうと立ち上がり、その格好のまま蜂の巣になって死んだ。


「ちっ、傷が深いな......」


殺傷するための兵器なので、当然一撃で絶命させなければ役に立たない。

それ故の改良型魔導ライフルであり、輝化黒魔鋼弾を使っているのだ。


「さて、俺の手持ちに治癒術はないんだが..............」


とりあえず、弾丸の摘出からだな。

俺は奴隷の身体を弄って、微量の魔力を放つ弾丸を複数個取り出した。

血塗れの手を洗浄する必要はない。


万物創造(クリエイトマテリアル)


俺はとりあえず、その辺の瓦礫を分解し、それを使って少女の身体の損傷・欠損部分を修復した。

別に分解する必要はないんだが、魔力が無駄になるからな.......

まあもっとも、俺が魔力を供給してAVALONを24時間フル稼働させたとしても全体の20%くらいしか減らないんだが。


「運んでいけ」

「..............」


銃を構えた機兵は、銃を収納して少女を運んでいく。

それを見届けた俺は、レクスに連絡する。


「彼女を集中治療室に、俺がやったのは応急処置だけだ、血も足りないし、未知の異常があるかもしれない」

『了解しました』


俺は連絡を済ませ、再び機兵に乗る。

この階の制圧はほぼ済んだようだし..........


「レクス、もう一つ頼む。機兵を数体集めてくれ」

『分かりました、”例の場所”に集めておきます』


俺は機兵に命じ、”例の場所”へと向かう。

そこは、真の最下層へ向かうエレベーターホールだった。


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