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第十四話 幻惑の裏

「ひゃっほおおおう!」


俺とローレンスは海面に飛び出す。

偵察機は流線型のあの形ではなく、一人用のポッドみたいな外見に例の宇宙戦争の戦闘機みたいなパネルをくっつけた形をしている。

あれとは違って太陽光パネルじゃなくて認識阻害パネルなんだけどね。

動力源は魔力共振機関という割と低水準のものだ。

昔――――第六次魔法大戦時はこの機関がメインだったらしいが........


「このままあの艦に追随する!」

「了解だっ!」


海面すれすれを飛行しつつ、俺たちは残存艦隊を追う。

海上を抜けて、砂浜の上を駆け抜ける。

砂浜の先は森になっている。

そう、残存艦隊が降りたのは、自然の島だった。

かなりでかいが、人工物は確認できない。

少なくとも、表面上は。


「森に入るぞ! 枝に気をつけろ!」

「了解だ、艦長!」


俺たちは森へと飛び込む。

枝くらいは粉砕できるが、木に当たるとさすがにヤバい。

速度を落とし、回避に専念する。


「艦長! この先は崖だぞ!」

「マジか」


地形図表示は崖になっている。

つまり、レーダーの索敵範囲内に入らないと進めないんだな。


「認識阻害の出力を最大にして一気に上昇だ! ぎりぎりまで接触しろ、俺の魔力と連結させる!」

「おう!」


認識阻害を最大出力にして、推力を俺の魔力から供給する。

この方法で崖を垂直に上昇すると、当然何が起こるかといえば..........


「ぐおおおおおおおおお!」

「っ..................!」


凄まじい重圧が襲い掛かる。

ローレンスは訓練済みのようだが、俺もこの体が強靭じゃなかったらきつかったかもしれない。

一瞬全身の血の動きがおかしくなったほどだ。

そして、崖の上に出た俺たちは、目の前に広がる山肌を見た。


「どういうことだ...........? どこに入り口が――――――」

「かはっ、艦長! あそこだ!」


混乱する俺とは違い、ローレンスはしっかりものを見ていた。

山肌に半分埋まった艦を。

徐々にその艦体は山に吸い込まれていく。


「どうなってるんだ...........?」

「艦長、巨大なホログラムなんじゃないか?」

「ホロ......ああ、なるほどな」


タネが分かった。

俺とローレンスは速度を上げ、そのまま山肌へと一気に突っ込む。

予想していた衝撃はなく、俺たちはそのまま山肌の裏側へと飛び込んでいた。

そう、山に見えていたのは魔導装置によるホログラム――――島そのものを、カモフラージュするための設備だったのだ。

そして、山の裏側に見えた景色は――――――


「なんだ、こいつは...............」

「市場みたいだな........いや、本当に市場なんだ!」

「こりゃ、第六エスカリアを調査しても分からないわけだ、こんな大胆なことをしやがるとはな」


金属で舗装された中心部には大穴が開いていて、その中央を管が通っている。

管といっても巨大なビルのようなもので、チューブで穴の側面とつながっている。

恐らくだが、地上部分に露出している市場など一部分にすぎないのだろう。

恐らくはあの地下に、大規模な違法マーケットが――――――


「降りるぞ」

「な.........艦長、正気か?」

「今夜襲撃する、助けられる人間にIDを付けておきたい」

「――――――流石は艦長様か、付き合うぜ」


悪が存在することを否定はしない。

生きるために最善の道を選び、それが悪だったのなら仕方ない部分もあるだろう。

だけどな、儲けるために――――自分の腹を満たす分以上に稼ぐために他人の人生を犠牲にしたり、する材料になるものを売ったり買ったりするのは流石にライン越えだよな!




俺たちは正規の手段に則って監視システムを俺の力で掌握し、船着き場に降り立った。

別段移動手段としては珍しくもないようで、俺たちに視線が集まることはない。


「(ローレンス)」

「(なんだ?)」

「(ここからはお前が父親で、俺に奴隷市場を見せてやってるっていう体で行くぞ)」

「(分かった、なるべく広く巡るんだな?)」

「(そのつもりだ)」


どうせ奴隷市場とかもあるんだろ、俺は知ってるぞ。

俺とローレンスは、市場の入口へと足を踏み入れるのだった。


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