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第四話 ぼくのかんがえたさいきょうの………

AVALONのサイズを15000mに修正しました。

俺はゴミの山を魔術的にスキャンし、一瞬にして粒子に分解し、再構築させていく。

そしてそれを、頭の中で想像した設計図通りに組み上げていく。


「これは........これはまさか........!」

「ふふふふふ........」


設計図通りに再構築が終わり、その場に小型の戦艦が出現する。

内部の機関は俺にとって未知のものだ。

何かを作るとき、分からないものに関してはこの世界の最高水準のものを自動で構築してくれるというチート機能が付いている。


「だいぶ足りねえな..........」


やはり超巨大戦艦を構築するには材料が足りない。


「た、足りなかったという事は.........守ってもらえないのですか?」

「大丈夫だ、〈万物(クリエイト)創造(マテリアル)〉!」


慌てる姫サマを横目に、俺は小型艦の横に巨大な艦を構築する。

さっきの船を核として、サブエンジンも欲しいな…

武装ももっと豪華で…


「あ、あ、あ! はみ出てますよ!?」


おっと、でかくしすぎてはみ出てしまったか。

俺は氷の足場を創造しておく。

いやこれ、横にのければいい話か。

俺は船を回転させて横にずらす。

そして、全てを素早く構築完了させた。


「う、わぁ…」

「これくらいでかけりゃ充分示威にも使えるな」


目の前に広がるビル並みの大きさの戦艦。

その全長は15000m…つまり15kmだな。

その時、大地が傾き出した。


「なんだこれ…!?」

「…! 重量のせいでこのエスカリアが傾いています!」

「マジかよ!」


そんなに出力足りてないのか…

俺は小型艦に向けて駆け出す。

ジャンプして艦橋まで乗り込み、扉を吹っ飛ばして(出力0なので扉が開けられない)中に入る。

だが、そういえば機関出力も0なので船が動かせないことを思い出す。

再び艦橋の移動用エレベーターの扉を吹っ飛ばして中階層に降り、機関室に入り込む。


「これは…どういう原理で動いてんだ?」


俺は素早く〈智慧智識(インテリジェンス)〉という能力を用いて何をすべきかを理解する。


「まずは炉内に魔力をぶち込むのか」


〈万物創造〉で少し疲弊したが、魔力にはまだまだ余裕がある。

俺は炉内にありったけの魔力をぶち込んだ。

目には見えないが、魔眼には炉内に溜まった魔力が見えるな。

俺は機関室の機械に直接魔力をぶち込み稼働させる。

そして、背伸びしてぽちぽちと操作を行うと…


グ・オ・オオオオオオオオオ!!!


轟音を立てて俺の遥か頭上のフライホイールが回転し始める。

……なんで近未来エンジンっぽいものにフライホイールが付いてんだ?

あの神様、もしや悪ノリで地球の文化を…いや、それはないか。

それと同時に、稼働していなかった機器が電子音を立てて起動して、ディスプレイが点灯する。


「あの神様、OSまで手配してくれたのか」


それとも、この世界の戦艦用OSを導入しているのか…?

俺はエレベーターをジャンプして艦橋に戻り、起動している機器を弄る。

某宇宙戦艦とは違い、艦橋は広く席は少ない。

前に3個、横に2個ずつ、そして艦長席が床に埋め込まれるような形で存在している。

俺は艦長席に座り、発進シークエンスを起動する。

浮遊感とともに小型艦…〈AVALON-CORE〉は宙に浮いた。

魔導機関から放たれるエネルギーを浮力に変換するこの世界の装置のおかげで浮遊しているのだ。

俺はコアシップの前面にあるエネルギー伝送システムをオンラインにし、エネルギーを集中放射する。

これに攻撃性は無く、目の前でエネルギー0で横たわる巨大な身体にエネルギーを送るためである。


「発進!」


そして、必要分より多めのエネルギーを送り込んだコアシップは小型スラスターを活用して身体…大型艦の上に回り込む。

すると両艦がそれぞれ素早くビーコンによる通信を行い、大型艦の方の盛り上がっていた場所が二つに割れて解放される。

接続部分を守っていた防壁は左右にそれぞれ収納された。

俺は艦を降下させ、慎重にボディへと接続を試みる。

幸いにも一発で接続が成功し、パネルに灰色で表示されていた項目がオンラインになる。


「よーし、メインエンジン点火」


〈AVALON-CORE〉に搭載されている魔導機関は、大型艦と合体する事で初めて真価を発揮する。

更に、魔導機関が接続されメインエンジンが動き始めたことで、左右翼に内蔵されているサブエンジンにもエネルギーが回り、稼働し始める。


「浮遊装置起動」


浮遊石というものを原材料とする装置は中心に一個だけあれば戦艦を浮かせられるが、その分大きくなってしまう弱点がある。

〈AVALON〉に搭載されている浮遊石はブルドーザー一台分並みの大きさで、この船以外には到底積めないだろうな。


「発進!」


俺の一言で、スラスターが火を噴き〈AVALON〉は出航した。

興奮でワクワクしていた俺の耳に、鋭い電子音が響く。


「こいつらは…」


目の前に見える点を魔眼で見れば、帝国の偵察艦であることが分かった。

ちょうどいい試し打ち相手が来たな。


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