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第三話 交渉の結果

「それで…お姫サマがこの真摯ないち王国市民であるこの私に一体どのようなご用件でございましょうか?」

「銃殺しますよ」

「失礼失礼」


俺はいきなりふざけた態度を取ってみる。

別にこの場に置けそうな兵器じゃ傷一つ付かないし、この国を追われたところで俺にデメリットは無い。

だからこれは姫サマへの試しに近い。

彼女が俺を使えるゴミとしか見てないかのね。

結局は王族だしなぁ。


「それで、用件は?」

「簡単です、いち王国民として王国に協力してください」

「断る」

「…本気ですか?」

「ああ」

「そうですか」


エルミアがチャキ! と自然な動作で俺に銃を向ける。

だが当然ながら、俺はビビることもなく立っていた。

そんな状態が数秒続き…


「姫、本気のようです」

「そうですか…残念ですね」


エルミアが銃を下ろした。

何? これ、俺が試されてたのか…


「随分と舐めてくれるな」

「あなたこそ、ここが何処だか分かっていないようですね?」

「分かってるさ、王宮だろ? それがどうした」


その気になればシステムを全部一時的に〈上書き〉してしまえばいい。

レーザーを喰らったらさすがに死ぬが、俺はそれを使えなくできるからな。


「.............はぁ、では...お願いします、国を守ってください」

「姫!?」


エルミアが驚いている。

この姫サマ、何をするかと思えば突然その頭を下げた。

俺の全身に衝撃が走った。

お、王族って、頭を下げられる人種だったんだ....................!


「で、報酬は?」

「————ッ!」

「姫様にものを強請る気か!?」


しかし報酬はしっかり貰わないと。

鬼畜と言うかもしれないが、俺にはある目的がある。


「..........何が欲しいのですか?」

「何でもいい、国中の要らないものを山のように集めてほしい」

「.......バカにしているのか貴様! もう我慢の限界だ!」


エルミアが俺に殴りかかってくる。

だが俺は拳を小さい身体で回避し、そのフルフェイスマスクにカウンターを叩き込んだ。


「ごおおあぁっ!!」

「エルミア! ……….分かりました、要求を吞みましょう.....その代わり、この国を守ることに協力してください」

「協力はしない」

「えっ」


俺は胸を張り、言う。


「俺は孤児の生まれだ、守るべき家族がいる。その家族を守るためならこの国を助けてやってもいい..........が、その家族が危険に晒されるなら、もうこの国に価値はない」

「....それが2つ目の要求ですか?」

「そういうことだ」


孤児院での暮らしに不自由はなかったが、今回の襲撃で死者が出た。

俺の大事な家族だ。

守ってもらう必要があるが、それだけじゃだめだ。

残ったやつらを死なせないために、俺にはやはり戦力が必要だ。

巨大な、戦力が........




数日後。

再び招集を受け、俺はエスカリア外縁部へと赴いていた。


「これでいいですか? うっ」

「ああ、有機・無機物は問わないって言ったからな」


国中の屑鉄、壊れた機械、汚染物、廃棄物、排泄物等等......

それら全てをその場所に集めさせた。

そのおかげで凄まじい臭いを放っている。

だがそれも、今からすることを終わらせれば解決する。


「さあ、やるぞぉ........」


俺は手を前に翳す。

すると、ゴミの山が輝き出した。


「な、何が!?」


姫サマが驚いているが、これからする事に比べれば大したことないな。


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