第一話 序章
新小説です。
ただし「武器使い」と違ってこちらは文字数が1200~1600文字で、更新も不定期です。
「武器使い」が更新されない時があったら、読んでもらえると嬉しいです。
————人生、何が起こるか分からないものである。
俺は薄れゆく意識の中でそう思った。
はは、死ぬ間際に何を考えているんだか.......
俺の名は水上明。
今年で大学一年になる。
なんとか受験を潜り抜け、まあまあマシな大学へと入学できたのだ。
こんなに嬉しいことはない。
未だ彼女は居ないが、これから作ればいい。
俺は、通学のためバスに乗った。
「席は..........空いて、いや。譲るか........」
後ろにお婆さんがいたので席は譲った。
車内は子供や通勤通学の人間たちで溢れている。
俺はしばらく揺られていたのだが.......うとうとし始めたとき、
急に響いた悲鳴で我に返った。
「動くな!殺すぞ!今からこのバスは俺が乗っ取った!」
「なに.....?」
慌てて前を見れば、どこで手に入れたのか拳銃を持った男が立っていた。
「お、おい.....悪戯も大概にしろよ」
俺が固まっていると、男の前に、別の中年の男が出る。
そして宥めようとゆっくり近づいていく。
パァン!
そして、乾いた音が鳴り響いた。
男の持つ銃の銃口から発砲煙が出ていた。
横目で後ろを見れば、窓が蜘蛛の巣状に割れていた。
その中心には丸い穴。
俺は凍り付いた。乗客も凍り付いた。
あれで撃たれたら......死ぬ。
しかしパニックになれば撃たれる。
しかし、緊張した車内の空気に耐えきれなかったのか、前列の席に座っていた女性の赤ん坊が泣き出してしまう。
「うるせえ!撃つぞ!」
「待て、僕が相手だ!」
銃を赤ん坊に向ける男。
しかし、別の少年が........白髪?珍しいな。
別の少年が俺の近くに立ち、叫んだ。
男は銃をそいつに向けた。
何故か俺は、動くつもりは全くなかった。
なのに——————
パァン
気が付いたら俺は、少年の前に立ち塞がっていた。
そして、俺の左胸には....................
「え、うそ.......だろ?」
「お兄さん!?」
銃を構えた男が笑っていた。
だがその後ろから運転手が迫ってきていた。
いつの間にか車は止まっていたのだ。
「ははははは、俺ついに、俺やった!殺しちま————がふっ!?」
運転手が鞄で男を殴りつけ昏倒させる。
——————よかった、これでもう他に誰も死ななくて済む
そう思いながら、俺の意識は闇に沈んだ。
主人公の名前が『ユウキ』なのは手抜きじゃありません。
きちんと理由があります。
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