第三話 食事も命懸け!食べ過ぎには御用心
一匹のマンボウがスイスイと泳いでいる。
他のマンボウに比べると、上手に泳いでいるように見える。
「上手く泳げるようになって、楽しいから泳ぎまくってたらお腹空いてきたなあ」
マン次郎が呟いた。
周囲を見渡して見ると、魚の群れらしきものが見えた。
イワシだろうか?小さい魚がたくさんいた。
人間の頃はイワシは好きではなかったが、贅沢なことはいってられない。
マン次郎は群れに突っ込んでいった。
大きく口を開けると、次々とイワシを吸い込んでいく。
歯はあるが、上手く動かせないので噛むことは出来ない。
とりあえずお腹を脹らませようと、たくさん食べることにした。
数分後、お腹一杯に小魚を食べて、少し動きが鈍くなったマン次郎が泳いでいた。
「ちょっと、食べすぎたかなあ、苦しいや」
パンパンになった体で泳ぐマン次郎に異変が起こり始めた。
「うう、気持ち悪い…少し休もう…」
食べすぎたからか、突然の吐き気に襲われ、マン次郎は岩の影で休むことにした。
(あ、岩にもたれるとなんか楽な気がする。このまま、もたれてようかな…)
そう思っているうちに、うとうとと、マン次郎は眠ってしまった。
(おや?何か聞こえる気がする…)
(う~ん、ああこれは…)
マン次郎は目を覚ますといつもの言葉を放った。
「神様、私死にましたか?」
「そうですね、飲み込みが早くなりましたね」
「まあ、何回も死んでるとそうなると思います。ちなみに、今回は何で死んだのでしょうか?」
「ズバリ、食べすぎですね」
食べすぎ…まさかそんなことで死ぬとは思わなかった…
「マンボウは内臓も弱かったのですか?」
「そうですね、寧ろ強いところを探す方が難しいですね」
この世界のマンボウはとことん弱いのだと、しみじみと思った。
「今回は内臓が強くなりましたので、多少の暴飲暴食には、耐えられるようになったと思いますよ」
「ありがとうございます。でも今後は、ほどほどに食べるようにします」
「それでは今回も、強く、元気に生きてください。さようなら~」
フレンドリーに、神は去っていった。
「うん、次も強く生きよう。いつかは最強のマンボウになってやる!」
そう強く心に誓い、マン次郎は泳いでいった。