憧憬
人生、誰でも一度は、「死にたい」って思うと思うんですけど、実はその時死ぬほど辛かったことって、大概は二年後、三年後には忘れてて、その頃には別のことで「死にたい」って思ってて、昔を振り返ることが出来ないというより、そんな暇がなかったりします。
それでも、過去を振り返ることは大事だと思うし、未来だけ見続ける方がよっぽど楽に生きられるとも思います。だから存外、「未来を見ろ」ってのは、過去から目を逸らして、未定の未来で挽回しようとしているに過ぎないと思います。
過去はどう足掻いたって消せないし、むしろ、年月を経て風化するどころか、印象深いことがらは、むしろ濃くなる一方で、人生の汚点として、いつまでも残り続けます。未来が真っ白なカンバスだとすると、過去は筆を洗う水みたいに、どんどん濁って行って、悲劇も喜劇もごちゃごちゃになるのかも知れません。