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ココロの寄り道  作者: まんたん


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プロローグ

『眠りに就くその前に』

 


 


 


目を閉じれば――


もう何も考えなくていい。


 


だけど、私の自意識はそれを許さなかった。


 


———、————


 


自分の奥底から湧いてくる声が、ズキ、ズキと脈打つ痛みとなって脳を刺激する。


 


…ほんと、心底鬱陶しい。


そんなこと言われなくても分かっている。


 


 


だから無視して、目を閉じてしまえばいい。


このまま消えてなくなってしまえばいい。


 


 


 


 


……だけど、それとは裏腹に、


逃避だけは――自分が最も軽蔑する行為だということを、私は知っていた。


 


 


痛みが強まるたび、呼吸が荒くなり、


「痛い」という言葉だけで思考が塗りつぶされていく中、


ただ一つの問いだけが残っていた。


 


 


―—じゃあ、どうしたらいいの。


 


答える人なんてここにはいない。


すべてを諦めかけたその時


 


混濁した意識の中、それは音もなく、すとんと落ちてきた。


驚くほど自然な、あまりにも単純なその答えが、私の全てを塗り替えていく。


 


……なんだ。私って、ほんとバカ。


迷う必要なんて、一ミリもなかったのに。


 


確信めいた囁きに包まれるようにして、


私は、重たい体に力を込めた。


 


 






 


 


眠りに就く、その前に──


私は、私を置いていく。


 

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