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第7部 第4話:別人のフェリシア
編集者はフェリシアの性格を改変しようとする。乱暴で自由な彼女は整えられ、リリィへの想いも削られる。残るのはレンチと、一つの反抗だけだった。
頭に白い光が差し込む。
脳を直接撫でられるような感覚。
記憶の棚が勝手に整理され、不要なものが捨てられていく。
「……くそ……」
《CHARACTER REWRITE START》
《FELICIA》
《TRAIT : VIOLENCE -> DISCIPLINE》
《TRAIT : IMPULSE -> RESPONSIBILITY》
《TRAIT : LOVE -> DUTY》
怒りが薄れ、衝動も消える。
代わりに芽生えるのは、世界のための声。
「……違う」
フェリシアはレンチを握る。
重さ、冷たさ、記憶。
それだけは、消せない。
「……私は、フェリシアだ!!」
声が割れ、乱暴で汚く、最高に自由だった。
《ERROR》
《CHARACTER REWRITE : CONFLICT》
レンチが黒く染まる。
誤差の色。
世界に存在しない色。
光の鎖が砕ける。
外側のルールが揺れる。
「……ざまあみろ」
しかしコンソールには冷たい文字が浮かぶ。
――《NEXT ACTION : DELETE FELICIA》




