第4話:知能と執着のデバッグ合戦
冷徹なシステム管理者エリカの登場。タブレット一つで世界を操る彼女に、フェリシアは物理と魔力で挑む。愛と理性の限界が試される戦いの幕開け。
「あなたの愛、計算式がスパゲッティコードね」
空中に浮かぶ数千の魔力残骸を掃除するフェリシアの耳に、エリカの冷たい声が響く。
タブレットには浮遊島の重力設定や魔力経路が赤く点滅する警告で埋まっていた。
「くっ…!」
フェリシアは瞬時に計算する。論理で勝てないなら、物理で直接干渉――レンチを握り、地面に一撃を叩き込む。島の基盤が震え、反動が腕に伝わる。長時間の連続干渉は、精度を微かに乱す。
「論理が通じないなら、論理を動かす基盤を破壊するまでよ!」
タブレットを傾け、エリカは空間の読み取り専用領域を次々に設定。フェリシアの物理干渉を遮断するはずだった――しかし、レンチが空気を切るたび、微細な亀裂が魔力供給ラインをずらし、反撃魔力を分散させる。
「無駄ね…あなたの愛、ただの自己満足に見えるけど?」
挑発にフェリシアはほほ笑む。赤く光るモノクルが虹彩を映す。
「自己満足じゃない。君が笑う限り、世界のルールは私が書き換える――君一人のために!」
一閃、レンチが地面を叩く。衝撃波が島を揺らし、亀裂を通じ魔力が逆流。タブレット画面が青白く震える。
腕に微振動が残るものの、フェリシアは瞬時に補正。リリィの位置を計算し、危険を避けつつ次の干渉に移る。
「物理層のパワーを甘く見ないで。ソフトだけじゃ、この愛は壊せない」
空と地を揺らす奔流の中、フェリシアはリリィの手を握る。
論理の壁も、効率至上主義も、愛の物理法則には勝てない――制約があっても、愛の計算は正しい。




