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幸福な王子様

優しいふりして近づこう


心は微笑のしたに埋めておこう


歌う金糸雀よりも


かろやかに舞う君がほしい



僕の願いを聞いて


まだここにいて



幸福な王子だなんて呼ばないで


君だけしか見ていないのに


今日も ほら君はくるだろう


それだけが僕の至福


まだ逃がさない


焦がれる燕は僕のもの



ほら瞳を


ほら釦を


ほら剣を


さあ どうぞ



君が来るならば


この身が醜くなってもかまわない


偽善の王子


そう呼ばれてもかまわない



暖かさが君を呼ぶなら


僕は涙声で君を縛る



まだいて


もうすこしだけ


あとちょっとだけ



幸福な王子だなんて呼ばれても


僕の心は晴れない


君がいつ消えるか知れない


それだけで僕は苦しい


まだ逃がせない


焦がれる燕は僕のもの



凍える冷たさは


僕の素顔


君が飛び立つというなら


氷の鳥籠で君を縛る


離れてしまうなら



いっそ



幸福な王子だなんて呼ばないで


僕の心を知らないくせに


ほら まだここにいて


君がいればそれでいいのに



誰かの幸せなんかわからなくてもいい


君だけが僕のそばにいれば


離したくないよ


逃がせない



風切り羽根を捥いで


凍れる冷たさで君を縛りつけ



君といられるなら



それが死だって


かまわない




僕は君だけの王子さま


他にはなにも欲しくない


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