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離脱
黒で塗りつぶした カンバス
何もない空間 そこに何を見出せばいい
どの言葉も 僕をなぐさめられない
ぬるい雨だけが 全部を連れ去ってゆく
激しい痛みとともに
緩やかな安らぎへの転調
矛盾した甘さのなかで
僕は誰の夢をみる?
鈍い光に誘われて 虫の群れ
ぶつかっても それに気づけない
愚かさだけが なんだか僕に似ている
冷めた雨だけが 全部を流してゆく
痺れるような快感とともに
ゆっくりと眠りへの転落
行き過ぎた苦みのなかで
僕は誰の声を聞く?
触れられない 触れたくない
誰かとの境界線
混ざり合う 隔離する
僕の存在意識
激しい痛みとともに
緩やかな安らぎへの転調
矛盾した甘さのなかで
僕は誰の夢をみる?
僕は誰の声を聞く?