メンヘラって言葉は好きじゃない
メンヘラって言葉は好きじゃありません。
それは、私が精神の病院に通っているからでもありますが、何となく蔑む感じのニュアンスがあるからです。当事者として、言われたらやだな、って思っています。
私は統合失調症なのですが、今の状態も環境も大分良くて、のんびり働けていて、高給じゃなくても田舎で生活できるほどにはお金ももらっていて、症状も出ていなくて、毎日薬を飲んではいますが、病院に行くのも2ヶ月に1回くらいです。その状態は10年に近いくらい続いています。
発症した時はもちろん、自分も周りも大変だったのですが、お薬を欠かさず飲み、家族とのんびり住み、同じような方達が集まる施設に通ったりもして、ゆっくり整ってきて、職場を斡旋してもらい、今に至ります。
自分の病気の事をどう理解しているか、というと、難しい話はわからないのですが、脳の中の神経伝達物質が、多かったり少なかったりで、起こってるっぽいなーと思っています。本を読んだりもしましたが、詳しくは忘れちゃったな。
心の病気、とか言うんだけど、確かにストレス環境や何かで、上手く回っているのが普通なのに、分泌の調整が損なわれるのでしょう。私も自分がなるまで、なんだか精神の病って、恐ろしいな、って気持ちがあったんだけど、仕組みとしては、脳の伝達物質がうまくいってるかどうかの、なんていうか、全くわからないものではなかったんですよね。
脳内の伝達物質がうまくいくように、お薬飲めばいいじゃんね、っていう。
もちろん、弱っている身体を休めたり、環境をのんびりできるように変えたり、って必要です。病気すると、色々なとこが複合的に弱るのですよ。休めて、休めて、一歩一歩、歩いたり、たわいもない人との触れ合いもね、色々な事が、時間が、必要です。
独り言が、言うの辛いのにやめられなくて、ずっと喋ってる、みたいな症状が、発症してる時はあったのですが(他にも色々と症状があった)、お薬のんだら、ピタ、と止まったのです。少し副作用なのか、歩きにくいとか、身体が引き攣る感じとか、ありましたけどね。(今はそれもないです)
当初、病に関して詳しく家族も私も知っていなくて、家族も治ったと思いたかったのでしょう、独り言が止んだら、喜んで先生に言って、病院に行くのやめてお薬もやめました。
そしたらすぐ症状が出ました。
病院にすぐ行って、またお薬もらったんだけど、担当してくれた先生が、戻ってきたのをとても喜んでいましたね。多分、お薬を飲まなくなったらそうなる、と分かって心配していらしたんでしょう。お医者さんて、患者さんが来なければどうしようもなくて、絶対病院に来い、なんて言わないです。
それから毎日欠かさずお薬は飲んでいます。
多分、お薬は一生飲むのかな。飲むと安心ですのでね。たまに、ぽろっと飲むの忘れたりするけど、1回飲み忘れたくらいなら、まだ飲んだお薬が自分の中に残ってるので、症状が出たりしないですよ。そんなに緊張しなくていいです。
とはいえ、ちゃんと飲むようにしてます。
それって、身体の病でお薬を飲み続ける人と、今となってはどう違うのかな、って思ってもいます。
まあ、確かに、私は無理はできない。激務とか絶対無理っぽい。バリバリに働けるか、って言ったら違うんだけど、世の中の大人が色々あっても何だかんだ暮らしているように、普通に呑気に暮らしてるんだよなあ。
色々な人がいるんですよね。お薬飲んでも、落ち着かない感じの方もいたり。お薬は万能じゃないけど、助けになります。これから先の時代は、分かってくる治療法とかもあって、もっと、日常生活に復帰できる方もいるだろうな、いて欲しいな、って思います。
そんな私ですが、ビビりなので、精神の病で、怒ったり理不尽な要求をしてくる症状が出てる人は苦手です。施設に通っている時思いました。普通の反応、対応が一番だよ!いきなり分かんない事で怒られたくない!って。
私は聖人君子じゃないので、病の人めんどくさいな、って気持ちも分かります。だから家族には感謝しています。
さぞかしめんどうくさかったべなー、と。
精神の病院は、行くまではすごくハードルが高いんだけど、病気なら早く行った方が良いよね、って今は思います。色々な人がいるのは、身体の病院でも同じだし、なんなら世の中にも、病院に通ってないだけで、え?って人、グレーゾーンな人は、いますよね。特別な事じゃないです。誰もがそれなりに偏っていて、私たちは、グラデーションの中で生きています。
そして、昔の小説で、「あの人は狂ってしまった方が幸せだろう」っていう感じのセリフ、子供の頃は、ふーんと思って読んでたけど、経験したら、違う!って分かったのです。
症状が出てるのって、本人も、とってもままならなくて、苦しいのです。すっごく苦しい。
今は、ほわぁと呑気に暮らしていて、幸せだなぁと思っていますよ。
私は、精神で障がい者手帳をもらっていて、一応障がい者、って事なんだけど、軽いので、障がい者年金はもらっていません。もらえるんだよ、一定以上の等級だと。
でもお金もらえるより病気が軽い方がいいよ、と手続きの時に関係した人に言われました。そうかもしんない。
働きたいよね。自分で稼いだお金は重要だよ。あと、他人との接点がある、って、大分重要なんだ。
たわいもない話をできる仕事仲間の人がいる、って、とても良い事です。
でも、年金もらってよくよく癒して、そして、何とか生活をしてける人が増えたらな、って思うから、働いてないけどお金もらうのに後ろめたく思って欲しくない。
施設で出会った、気持ちの優しい人達の事も覚えています。何かちょっとしたことをしてあげたら、お金あんまり持ってないだろうに、缶ジュースとか買ってお礼してくれるんだよ。なんて律儀なんだよ!と思ったりしましたよ。
恋愛模様もあったりね。どこでも、人間って、一緒なんだ。
本当に色々な人がいた。
私も含め、大勢のあの人たちを、ひっくるめてメンヘラとは、言ってほしくない。
自分はそうではないという優越感のこもるその言葉を、私は嫌いです。
誰でも、突然、病気にはなるんだぜ。
どこかが傷んでいても、欠けていても、楽しく嬉しく暮らしていけるように、できたらいいな、って思います。