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吠えろ!カワウソファイター 〜ノロワレ冒険者のダンジョン配信〜  作者: わたがし名人
オオカワウソ編

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カワウソVSリヴァイアサン



門をくぐると頭上からドラゴンの頭がカッペイたちを見下ろしていた。


リヴァイアサン。


水中モンスター最強の一角で、並の冒険者はその姿を見ただけで威圧され動けなくなる。


球場程の大きさの小島をぐるりと巨大な身体で包むリヴァイアサン。


蛇のような長い姿も相まって傍から見るとまるで蛇に睨まれた蛙のような状態だった。



しかしここにいるのは蛙ではなくカワウソ。怯むところが喜々としていた。



「いっちょやるか。ミユは見といてくれ」


どうやらカッペイ一人で戦うようだ。



「そんじゃいくぜ。練気、赤!炎拳!」


リヴァイアサンの顔面目掛け炎の拳で殴りかかるカッペイ。


リヴァイアサンは避けることなく攻撃を受け止める。


攻撃を受けても微動だにせず、顔には僅かに傷ができるだけ。



「次、練気、黄色!轟雷!」


続けざまに雷を纏うカッペイ。


今度は顔ではなくリヴァイアサンの身体に沿って攻撃をする。


属性の相性は悪くないはずなのだが、リヴァイアサンの鱗は強固で決定的なダメージは出せていない。



リヴァイアサンは未だ動くことなくじっとしている。攻撃してくる気配はない。


「舐められたもんだな、じゃあこれはどうだ。抜刀、疾風!」


鎌を振り抜くカッペイ。


真っ直ぐ飛ぶ斬撃をリヴァイアサンが身体をそらし躱そうとする。


僅かに当たった部分はリヴァイアサンの身体を斬り裂き血が流れる。



「これが当たりか」


ようやく手応えを感じる攻撃を見つけたカッペイ。


続けて攻撃をしようとするとリヴァイアサンに動きが。


リヴァイアサンは小島を囲っていた身体を解放し、小島から距離を取り始める。


「させるか」


カッペイは追撃するが、リヴァイアサンの動きは巨体に似合わず素早く既に海中に潜っていた。


カッペイが海に飛び込むか考えていると、リヴァイアサンがいる所から巨大な渦が発生する。


その渦は徐々に大きくなると、やがて巨大な水の柱が浮かび上がる。


水の柱は小島に向かって動きはじめる。



「抜刀、断風」


カッペイは鎌を大きく振り抜くと風を纏った斬撃が放たれる。


斬撃は水の柱にぶつかり互いに消滅し、空から大量の水が降り注ぐ。



「ちょっと行ってくる」


そういうとカッペイは海に飛び込む。


水中に入ったカッペイはリヴァイアサンのいる方へ向かう。


リヴァイアサンは先程のように渦を作るべく回転をはじめていた。


「抜刀、疾風」


鎌を振り抜くカッペイ。水中でも自由に動けるので、威力は地上と変わらないままリヴァイアサンへ向かっていく。


カッペイの攻撃に気付いたリヴァイアサンだが、既に攻撃は目の前に迫っていた。


攻撃がリヴァイアサンに直撃すると、大きな水しぶきがあがる。


リヴァイアサンの身体には一本の大きな斬り傷が。


鱗を斬り裂き、深いところまで達した傷からは大量の血が流れている。



「こんだけ傷つければそろそろいけるか?」


カッペイはリヴァイアサンに向かい泳ぐ。

その泳ぎはカワウソだけあって素早い。


リヴァイアサンの前まで来ると、


「練気、黄色!雷雷」


カッペイの身体から雷が迸る。雷はカッペイの身体だけでなく周囲の水を介し、広がっていく。


リヴァイアサンの傷口に体当たりするカッペイ。


「グギャァッッ!!」


リヴァイアサンは先程と違い大きな声をあげる。

どうやら効いているようだ。


そのまま雷を纏ったままリヴァイアサンにしがみつくカッペイ。


振り解こうと激しく動き回るリヴァイアサン。


その激しさは海上で大きな津波を生み出していた。



「カッペイさん大丈夫でしょうか?」


小島にいるミユのところへ津波が直撃するが、結界で身を守っているミユは無事だ。


荒れ狂う海を見ながらカッペイの身を案じていた。



一方カッペイは激しく暴れるリヴァイアサンに離れずしがみついていた。


継続して雷を纏っているだけでなく、爪や牙で傷口を攻撃していた。



そんな状態が30分以上続き根比べをしていたカッペイとリヴァイアサン。


リヴァイアサンの動きが徐々に鈍っていく。そしてその身体は海上に浮かび上がる。


「ふー、疲れた」


リヴァイアサンの身体の上によじ登り座り込むカッペイ。


長期戦を制したのはカッペイだった。






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