オオカワウソ触れ合いタイム
「なぁ、本当にこんなんでいいのか?」
「はいっ!」
カッペイとミユは広い庭に出ていた。
この辺り一面は見える範囲全て天空橋家の土地だそうだ。
そんな場所で行われていたのは、
「それっ」
「おっしゃ、ほっ」
ミユが投げたフリスビーをカッペイが華麗にキャッチする。
「グッドですカッペイさん。では次行きましょう、それっ」
「はいはいっと」
ペットと戯れる美少女という微笑ましい光景。
そのペットがオオカワウソでなければだが。
「カッペイ様きちんと口を使って下さい。もっと犬っぽい感じでお願いします」
カメラを回す陸奥から指示が飛ぶ。
「貴重なミユ様の時間を使っているのです。もっと獣らしく振る舞って下さい」
陸奥が撮影しているのは自分の個人的な趣味のためでありミユの指示ではない。
普段ならミユの注意が入るのだが、珍しくはしゃいでいて陸奥のことなど視界に映っていなかった。
「カッペイさん、次はこれをやりましょう」
様々なおもちゃを用意しているのか休む暇なく遊び続けるミユとカッペイ。
ミユが人に戻ってやりたかったことはカワウソ姿のカッペイと遊ぶことだった。
昔から動物が好きだったというミユ。
ジョブと家柄の関係でダンジョン以外ではほとんど外出の機会がなく、またペットなども飼うことは許されておらず動物と触れ合う機会がなかった。
ダンジョンでも動物系のモンスターが現れるがそれらはまた違うとのこと。
そのためカッペイと会った際、一緒に遊んでみたいと思っていた。
ちなみに自身が動物の姿になったことについては特に嬉しい訳ではないらしい。
別に自身が動物になりたい訳ではなく、動物と接するのが好きなのだ。
「少し休憩しましょうか。その前にシャワーに行きましょう」
「えっ、一緒に行くのか?」
「はい、私が洗ってあげますね」
戸惑うカッペイを抱えミユは浴場へと向かう。
「痒いところはありませんか?」
「ああ、問題ない」
なすがままに洗われるカッペイ。
ミユはTシャツにホットパンツ姿。流石に服は着ていた。
「ミユ様のホットパンツ。これは貴重です」
陸奥は相変わらずカメラを回しているが、ミユの視界には入っていない。
「カワウソの毛ってサラサラしてるのですね。ずっと触ってられます」
シャワーを終えたカッペイはミユに抱きかかえられたままお茶をしている。
オオカワウソは大きさの割に軽く、ミユでも簡単に抱っこできた。
カッペイは頭に当たる感触を意識しないよう無心になる。
マヤと比べミユの身体の一部は女性らしく豊かで、ぷにぷにとカッペイの後頭部を刺激していた。
しばらくして解放されたカッペイは心なしぐったりしていた。
その後ブラッシングやら身体中弄られたりするも抵抗することなくオオカワウソに徹するカッペイ。
これはオオカワウソとして受け入れているだけで決してそういう趣味はないと自身に言い聞かせ続けた。
夕食を終えようやく一日が終わると思ったカッペイにミユから、
「今日は一緒に寝てもいいですか?」
とお願いされ一緒に就寝することに。
「おやすみなさいカッペイさん」
抱き枕のように抱きかかえられるカッペイ。
柔らかい部分が色々と当たり精神上よろしくない状況になりながらも鋼の自制心でなんとか耐える。
ノロワレになったからといって性欲が消える訳ではない。
悶々としつつも一夜を乗り越える。
翌朝。
「おはようございますカッペイさん」
ミユはまたアヒルの姿に戻っていた。
そしてまたダンジョン攻略が始まる。
「カッペイさん、呪いが解けたらまたカワウソの姿で私と遊んでもらってもいいですか?」
楽しそうにしていたミユの姿を思い出す。
「ああ、いいよ」
再び遊ぶ約束を交わすのだった。




