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屍5体目

フールが熊に教われてから7年後フールは11歳になっていた


既に体は鍛え込まれた成人男性並みに育ち顔も幼さは残るものの男らしい顔つきになり黒い髪をウルフカットにし、右目に眼帯を着けていたいる。


「ふっ!ふっ!」


ドンッ!ドンッ!


フールは大木に正拳突きを繰り返す


「ナビ」


「はいよ~」


フールが呼ぶと体から白銀の毛をもった子狼がでてくる


この狼はフールのスキル異世界知恵袋のナビゲーター


超モフモフのかわいらしい子狼である



「で?御主人どうしたの?」


「中国拳法の技を出してくれ」


「はいはーい」


ナビが口から煙を出すと煙は人形になり拳法の動きをし始め上に煙で説明文が出てくる


「はっ!」


ドンッ!


「ふっ!」


ビシッ!


「はっ!」


ドンッ!


「せいっ!」


ダンッ!


「くあぁ~ふ、日向ぼっこしてるから、用があったらまた起こしてね」


スキル異世界知恵袋とは前の世界とこの異世界の知識をコンプリートしたスキルであり、説明役としてナビゲーターが出てくる使用である



「はっ!ふっ!ふっ!せいっ!」


ビシビシッ!!!


大木の幹に罅が入る


「ふぅふぅ」


「お坊ちゃま、お水をお持ちしました。」


「ありがとうレティシア」


フールは水をゆっくり飲む


「お前もやるか?」


「申し訳ありません、まだ仕事がありますので、その後御教授よろしくお願いします。」


「おう」


「お前も変わったなぁ」


「そうですか?」


レティシアは獣人であるためすでに成人女性程成長しており美しい大人の女の色香がでている。獣人はとくに身体、精神の成熟が早く、エルフ、ダークは身体の衰えがかなり遅いとされている。

レティシアは良いとこ取りなのではないかも俺は思っている。まぁ、ふける速さは今後でないとわからんがな


「昔はピーピーないて可愛かったぞ」


「うふふ、お恥ずかしいです。今は可愛らしくなくなったと?」


レティシアはふわりと笑う。


「あぁ、可愛いというより美しいかな」


「まぁ、嬉しいですわ。ですが、誉めても宿題は手伝いませよ」


「そう言うつもりではないんだがな」


「うふふふ、それでは失礼します。」


レティシアは一礼すると去っていく


「はぁ~昔は、顔を真っ赤にしてたのにな」


「ふぁ~そう言うところだよ。御主人がモテないのって、他の王子はご令嬢やメイドとキャッキャウフフしてるのに」


「うるせぇよ」


フールは地面に座り頭をかく


「はぁ、本当に良い女になりやがったよ」


「そうだねぇ、城の中だと表情を一切崩さない無表情なのに君の前だと笑顔をだすんだからね」


「まじか!脈ありか?」


「やれやれ、これだから童○は」


「もう、○貞は棄ててるは!お金払ったけどな」


フールは拳を構える


「怒らないでよ」


「はぁ~こうやってのんびりできるのも今年までか」


地面に寝そべると空を眺める


「そうだねぇ、この国は12になったら六年間学校にいくんだもね。王族は確か三国立キマイルズ学園に入学するんでしょ?」


「そうなんだよねぇ。学校は各国に2校づつ、そして三国から集められた優秀な人材や将来の国の顔になる人間が集まる学校で表は各国の顔繋ぎや優秀なフリーの人材のスカウトをメインに行うが、裏だと各国の力の計りあいとか裏工作、情報収集とか面倒なんだよねぇ」


「御主人はそう言うのめんどくさがるからねぇ。戦争も暫くなさそうだし」


「戦争なんてここ数十年ないだろ魔族側もおとなしいしな」


「なら冒険者にでもなる?」


「ばーか、王族としてグダグダ生きてくよ」


「それがいいねぇ。まったりするのは大好きだ」


ナビはフールのお腹の上に乗ると丸くなる


ふぁさ


「ん?」


フールが目を閉じると布がかけられる。みるとレティシアが立っていた


「申し訳ありません。起こしてしまいましたか。風邪を引かれてはいけないかと思いまして」


「ありがとう」


「失礼します。そのままでは首を痛めます」


レティシアは座り自信の膝にフールの頭をのせる


「風が気持ちいいな」


ポフ


「む?」


レティシアは尻尾をフールの顔にのせる


「気持ちいいが今日はいいや」


フールは優しく尻尾をどかす


ポフ


「む?どうしたんだよ」


ポフポフ


「おい」


「尻尾、お好きでしょ」


レティシアは笑顔で言ってくる


「ぐっ・・・・好きだよ」


フールが諦めて顔の上に尻尾を置いたままにするとレティシアは尻尾をどかしフールの髪をいじり始める


「やれやれ」


二人と1体がまったりしていると


「ずいぶんと余裕だなぁ」


金髪の美しい少年が現れる


「これはこれはヘンリー兄上」


フールは立ち上がりながら言うと


「貴様に兄と言われたくないな、出来損ないの恥さらしが」


「おっとこれは耳が痛い」


フールはヘラヘラ笑いながら頭をかく


「ふん、相変わらず気に入らん態度だ」


「それで、如何されました?」


「ふん、無能の貴様も来年はキマイルズ学園に入学するというのに、王家の名に泥を塗らぬよう苦言を呈しに来たのだ。俺も来年は三年目、オーガスト兄上は最後の年となる。くれぐれも、恥をかかせてくれるなよ」


「へへへ、ありがとうございます」


「ちっ、レティシアといったな。貴様もこんな屑より俺のところにこないか?その麗しい美貌も俺にこそふさわしいと思わないか?」


ヘンリーはレティシアの頬に手を添える


「御誘い誠に感謝致します。フール様のお世話は陛下より命ぜられたもの、もし陛下のご命令とあらばいつでも、しかし私ごときヘンリー様の御近くに居ればヘンリー様のご迷惑になるかと」


レティシアは無表情のまま返答す


「ふん、相変わらず笑みすら浮かべんか。いずれ俺のものにしたいものだ」


「お戯れを」


「さて、第4王子。来年は第5王子も入学されるのでそちらも激励にいかれては?第3王子にも迷惑かけないようにいたしますよ。」


「ふん、貴様のおかげで大兄上二人も苦労してると言うのに良くいう」


「えぇ、王子方には不祥事を上手いこと握って頂きたすかっておりますれば」


ヘンリーはフールの胸ぐらを掴む


「調子にのるなよ。学園に入ったら貴様をのさばらせてはおかん!」


「へへへ」


「ちっ!」


ヘンリーは去っていく


「またヘンリーと揉めていたのか?」


「ふん」


赤髪に顔に傷のある美青年と青髪の美青年の二人があらわれる


「これはこれはアルカード王国の爆炎と氷上貴公子の第1王子様と第2王子様ではありませんか。ご機嫌麗しく」


「そんな堅苦しいの要らねぇだろ!弟の癖にお前まで生意気になりやがってこの!」


第1王子はフールの頭をくしゃくしゃと撫でる


「兄者、そんな屑に馴れ馴れしくするな。他に示しがつかん」


「そう言うなレイ、可愛い弟の1人じゃないか」


「出来損ないなど弟と認めん」


「全くお前は、フール!学園頑張れよ!熱い学園生活は楽しく成長できるいい場所だ!一緒にこの国を熱い国にするために力を着けてこい!」


第1王子はそう言うと笑いながら去っていく。第1王子は兄弟の中唯一変わらずフールに接した人物である


「ふん、貴様には何も期待していない。精々王家の名を汚すな」


第2王子はフールを一切無視し続けていた。


そして第1王子に続いて去っていく


「くっくっくっ」


「どうなされました?」


「ヘンリーの間抜け、お前に断られたの気付いているのかなとな」


「さて、どうでしょう。そんなにおかしかったですか?」


「いや、笑ったのはあいつがお前に触れたからな。学園に入ったらあいつから決闘を申し込ませるのが楽しみで楽しみで」


「まぁ、随分と自信がおありなんですね」


「安心しろ、俺はお前が離れたいときは好きに行かせてやるがそれまでは近寄る羽虫は全て叩き潰してやるさ」


「ふふ、ありがとうございます。でも、私は引き留めて貰えないんですか?」


「俺はお前が離れて行かないって信じてるからな」


フールは伸びをすると


「ナビ、次はボクシングだ」


「はいはーい」


鍛練に戻っていく





フールの鍛練を見ながらレティシアは微笑み


「ずるい御主人様ね」


この声はフールには届かない



















「ねぇ、御主人は自覚してやってるの?」


「ん?」


「レティシアへのあの言葉だよ」


「当たり前だろ。イカスだろ」


「はぁ、鈍感だなぁ。それも最低な」


「は?俺を鈍感系主人公と一緒にすんな!いずれバシッと決めるぜ!脈ありになったらだけどな」


「やれやれ御主人にもこまったもんだよ全く」













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