屍3体目
「ん?」
見慣れた天井を眺めながらポケーっと上をみる
「目覚めましたか?」
横からの声にフールは声のした方を向く
「婆や」
「はい、婆やにございます」
そこには白髪で微笑みを浮かべた腰の曲がった老婆がいた、俺の母専属のメイドである
「お食事はいかがされますかな?」
「後でいい、レティシアは?」
「先日目覚めております。ご無事にございますれば今は婆やの元で修行をしております。女として、メイドとしての修行を熱心に」
「そうか・・・・無事ならいい。少し一人にしてくれ、必要があったら呼ぶ」
「かしこまりました。他に必要なことはございますか?」
「金をそうだな、俺の資産の半分を用意してくれ、あと信頼のおけて、口の硬い護衛を二人だ」
「坊っちゃま、失礼ながら」
フールは神妙な顔をしながら口をひらく
「婆や、何も聞かないでくれ」
「いえ、婆やは何も聞きません。ただ御自愛していただければ何もいいませぬ」
老婆に一礼するとでていく
「やれやれ、あんなことがあって普通はこんなこと考えるなんておかしいのにな・・・・・・へへへ」
フールはステータスをだすと自身のスキルを見る
「新しい・・・・いや、バグが消えて読めるようになったステータスか」
解説を見るとフールは驚く
超高速強化回復
細胞が一つでも有る限り瞬時に肉体を自動で回復しながら回復前より強化する
起死回生
死亡した瞬間に全快状態で蘇生される。
◾◾◾◾◾◾◾◾◾◾◾◾◾◾
絶無の極地
魔法、スキル、特殊ボディー、等を無効化する
異世界知恵袋
地球とこの世界の技術や知識が書かれた本でスキル所持者により異なったナビゲーターがでてきて説明してくれる
「なるほど、解説できるようになって能力の全貌がわかったのか。しかしチート癖ぇ・・・・・・やれやれ、しかしまだ見えないところがあるのか。」
「そうだね、もっと修練するんでね御主人」
声がするところを見ると銀色のモフモフ子犬がいた
「僕はナビゲーターだよ。あと僕は狼だからね?名前をつけてくれよ御主人」
「じゃあ、ナビで」
「いい名前だね!ポチ、タマじゃなくてよかったよ」
フールは苦笑する
「さて、御主人!僕はこの世界と地球の知識をもってるけど地球ってすごいよね、特に御主人のいた日本はあらゆる世界の法則を無から導きだしているんだからさぁ、驚きだよこんなあらゆる世界の情報は普通神様しか知らないのにね」
「なるほど、確かに凄いな。作家の頭にはもう一つの世界があるんだから。それよりこっちの情報もあるのか?」
「勿論さ、他の世界の法則でこの世界で応用できそうなのもピックアップしてるよ?それに僕御主人使用だからね。頭の中の欲しい情報をいろいろとピックアップしておくことができるのさ」
「チートだねぇ」
「まぁね!そんなに誉めても知識しかでないよぉ」
しっぽをふりながらムフンと子狼は胸を張る
「なら、俺のこれから行くべき場所もピックアップできてるか?」
「御主人が前々から考えていたのがわかったからピックアップしといたよ」
「サンキュ」
「御主人って不思議だよね?あんなことあったなら取り乱したり、もう嫌だ~とか、強くなりたいんです!とか、怖い怖い怖い、とかすぐにあの娘のところにとかなるのにさぁ、こんなこと考えるなんてね」
「別に・・・・レティシアは修行にやる気をだしてるから恐らくあの出来事をバネにしてより高く飛ぶ。後で様子を見に行くが・・・・凄い女の子だよ。だから大丈夫さ、あと俺自身はそう言う物語の主人公系の奴苦手なんだよね?どこまでも自分らしくいるように努めてるし、前世から変人って言われてたからね」
「ふぅ~ん」
「それに、勿論鍛えるよ?強くなきゃいけないのはわかったからね。だけど、これは物語じゃないから下地作りは早く、広く、同時進行で行わなければならないからね」
「面白そうだね御主人!」
「じゃあ行こうかナビとその前にこの世界の情報を教えてくれ」
フールはナビから情報や知識を仕入れ、計画に支障が無いことを確認すると、レティシアの元に顔を出したあとボロいフードを被り街に来ており、ナビは周りから見えず、俺だけから見える状態で頭にのる
「ナビ、ここか?」
「そうだね、今のところここが一番品揃えがいいみたいだよ」
「結構しっかりした建物じゃないの」
フールが来たのは街の中でも治安が悪い地区であり、大きな館に門番がたっている建物だ
「失礼」
「あ?んだよガキ、ここはてめぇのようなガキが来る場所じゃねぇだ。うせな」
門番はハゲた厳ついオッサンだ
解析
名前 ゴズ
館の用心棒
種族 人間
スキル なし
魔力適切 なし
職業適切 戦士
職業 戦士
結構解析できたな
「ご主人の魔眼は馴れればステータスの数値化とかランク訳とかで確認できるよ。あと、こう言う時の相場は今のご主人なら銀貨一枚程度かな」ヒソヒソ
俺は軽く頷く
この世界の通貨は簡単におさらいしておこう
半銅貨=10円
銅貨=100円
半銀貨=1000円
銀貨=10000円
半金貨=100000円
金貨=1000000円
白金貨=一億円
王家紋章刻印白金貨=時価
つまりガキの俺が安全に客として入れて貰うには資産があることを証明しつつ男がおいしい思いができる金額を用意すれば客になれるということだ
「客ですよ」
そう言い男に握った拳をだす
「ほう?礼儀はしってるようだな」
男の差し出した手に銀貨を1枚置く
「客として、入っても?」
「まあ、ここで素直に出せる金があるんだ。見た目よりいいところのガキだろうが今度から護衛をつけな?」
これは予想外だ
「御忠告感謝します」
「へっ、その言い方、それなりの家のガキだな?これからも来る機会があったら俺の時に来い、無事でいてもらわなけりゃおいしい思いできねぇからな」
男は笑うと後ろを指差す
「入れ小僧、精々売上に貢献しろよ」
「わかりました」
扉を開け店に入る
中は思ったよりも広く、鎖付きの首輪を着けた男がでてくる。かなり体も鍛えられているようだ
「こちらへどうぞ」
「・・・・・・」
俺は二階の、部屋に通されると、この世界では高価な椅子や机が目に入った。それだけでどれ程儲けているかわかる
「お掛けしてお待ちください」
「あぁ」
俺が腰掛けすぐに部屋に男が入ってくる
「これはこれは随分とお若いお客様ですね。」
俺は立ち上がる
「私のような子供を客といって貰えて感謝します。風の噂ではありますが、品揃えと信頼、接客がこの街一番であるとの噂は信用できそうだ」
「いやはや、なんとも嬉しいお言葉。我々商人は信用第一としておりますゆえご信用に足るよう精進致します。さぁ、お掛けください」
男の容姿はメガネを掛けた紳士的な壮年の男性といった感じである。執事服に手袋、シルクハットに高級そうなステッキと言ったところだ。
執事と言われても疑わないだろうと考えながろ椅子に腰掛ける
解析
エドワード・ナイル
種族 混血人
奴隷商人
スキル 交渉術
観察眼
魔法適正 火
魔力適正 D
職業適正 商人
調教師
暗殺者
こいつ、家名がある上にこの能力、ただ者じゃないな
「私は当店の代表をしております。ナイルと申します。失礼ながらなんと呼ばせていただければ」
「ハーミットです」
「それではハーミット様、ご予算はいかほどでしょうか。疑うわけではございませんが当店では超1級奴隷から最低ランクの奴隷までお客様のお財布をかんがみてオススメさせておりますが、予算にあったなかで一番の奴隷をオススメさせていただいておりますので参考までお聞かせ願えればと、ちなみに当店の最低ランクは最低と言ってはおりますが基本的に他店の並くらいだとお考えいただければありがたいです。そして、用途をいっていただければすぐにでもご覧にいれさせてもらいましょう」
「ふむ、予算はこのくらいだ」
どちゃ!
俺は机の上に袋をだす。俺が今日持ってきた金の三分の二である。父には昔小塚い制にしてほしいといい、幼いからダメかとおもったら案の定オーケーだったのが今功を奏した。母からももらってるしな
「これは、やはり只の子供ではありませんでしたね」
「ならどうしますか?」
「これからも長く付き合えるよう。良い商品を紹介させていただきます。それにこの商売、無用な詮索はマナー違反ですので」
男は趣旨ニコニコとした表情を崩さない
「たすかるが、只の子供ではないとはどういうことだ?」
「奴隷商に来る子供が普通であるわけないではないですか。おかしなことをおっしゃられる。」
「それもそうだな」
「あと、ローブの下に暗器をナイフ一本に針5本と言ったところでしょうか、しかし、今お使いの毒はいただけない、素人にはわかりませが嗅ぎなれた者ではすぐわかります。だてに奴隷商人をやっているわけではありませんので」
つまり、お前の武器はばれているから大人しく買い物しろってところかな
「申し訳ありません。これは護身用でして、ここの地区はどうも子供には優しくないと聞きますので」
「賢明かと」
「さて、それでは若い男奴隷、もしくは長命の男奴隷が数人ほしいですね。あと手先の器用な奴隷と付与魔法が使える奴隷を見繕ってほしいのですが」
「わかりました。しかし、当店の奴隷を複数となると本日のお手持ちですと全部最高級とは参りませんが」
「自分で選ぶので全てのランクを見せてください」
「かしこまりました」
男が、出ていくとすぐに奴隷を引き連れて戻ってくる
「こちらでいかがですか」
俺は一人一人解析していく
「ふむ、こいつと、こいつと、あとこいつと、こいつと、こいつとこいつかな付与魔法が使えるのはこの男だけか?」
「はい、しかしどうしてその者達を?」
「ん?まぁ、見たところ俺のほっしてるのにあっていたからですかね。勘ですけど初めての奴隷なので直感にしたがってみました。」
「わかりました。本日の六名のお買い上げで金貨25枚ですが」
俺もだいぶ小塚いというか金をせびったが足りない。ここはもっと間引くか、恐らく交渉したら負けるだろうし
というか、さすが王族子供にここまでの金を握らせるか普通?まぁ母さんから貰った金がほとんどなのだが、まぁ、優秀な子に産めなかったからせめて不自由させたくないとか言ってたし、持つものは父親より母親だな
「ですが、もし、次からも当店を優先的にご利用頂けるのであれば、今後のよき関係のため、金貨24枚にまけましょう。」
「かった!」
「ありがとうございます。あと、これは多く買って頂きましたお礼と言うことで奴隷の服と身をさらに洗ってからお渡しさせていただきます。さらに奴隷契約は本来手数料を頂いておりますが今回はそれも無しにさせて頂いております。
奴隷の首輪は任意で苦しめを与える他に、逃亡、主への攻撃の意思で自動的に発動します。」
「よいサービスだな。不安になってきた」
「当店は信頼を第一に考えておりますので」
「つまり、俺もあんたのところより他に通いつめたらお金でもとるんですか?」
「いえ、そのようなことはしません。ただハーミット様は礼儀正しい方ですので口約束でも守って頂けると勝手に信用しているだけです。あくまでこちらの勝手なお願いですので破って頂いても当店はなにもいたしません。金貨一枚ていど私の店では信用にくらべたらたいしたことありませんので」
「随分とまぁ、言ってくれますね。これじゃあ他にいきずらくなりましたよ」
「でしたら、ぜひ今後も当店を宜しくお願いします」
俺は暫く待つと綺麗になった奴隷を連れて店をでる