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殺され妄想録  作者: 死にたがりの意気地なし
1/1

前編


溺死

 気づけば水の中の、とっさに息を止めて周りを見渡す。

 光を見つけて登ろうとした。とき、何かが背にぶつかった。

 結構な衝撃は空気を吐き出すのに十分で。反射で吸った息は水ばかり。

 鼻が痛い、ツンとするを通り越して。とっさの咳は空回り。水が出た。ただのどが痛くなる。

 苦しさは増すばかり。パニックの頭はまともな答え一つよこさない。ドクドクドクいやに大きく聞こえる血の巡り。

 いたいいたいイタイイタイ。言葉にならない、目の前に黒い点々。大きくなる、見えない、聞こえない。そうして、何もわからないまま。意識は消えた


焼死

 手錠足かせ、鉄板の上に寝かせられ。

 周りに人の声、笑い声、興奮、熱狂、はしゃいでる。

 やがて火が付いた。鉄板が熱される。まだ、まだ、大丈夫、まだ暑くない

 恐怖、みぞおちの中に渦巻くナニカ。死にたくないって無様に叫ぶ。

 叫んだ、大声で、言葉にならない。眼には涙。それは死にたくないって叫び。

 やがて熱くなる。いよいよパニック。手錠足かせに阻まれて。楽器代わりの金属音。

 背中が熱い。手が痛い。足が痛い。がんばって頭を上げる。熱いいたいイタイ。火傷特有の、切傷と違う、鋭い骨まで届いたかのような痛み。

 泣きわめきながら、どこかで変に冷静で。そんなことが頭に浮かぶ。

 痛いいたいイタイ痛いイタイ

 背中のくぼみに感じる濡れ。浸出液だ。接地面はすでに感覚ない。火が通ってるみたいでさっきまで痛くないとこが痛いんだ。

 頭は限界だ、力が入らない。こんな時でも耳と目は働く。人のにやけ顔。肉が焼けるのを待ってる。声のボリュームもちょっとずつ上がってる。これが最後。頭をおろせばもう余裕ない。そんなことを、死に際の余裕だろうか、変に考える。

 頭が落ちた。ひどい痛み。もうすでに体は動かない、痛みにすべて支配される。絶叫。いつの間にかぷっつりと。私の意識は消えた。


落下死

 ビルの縁。見下ろせば蟻のように見える点。朦朧とした意識のまんま考えた、死にたいって願いに応えて。足を滑らせた

 内臓の浮遊感。風切る感触。迫る地面。頭が下になる。血が上る。徐々に意識が覚醒し。恐怖が鎌首もたげる

 地面が迫る、死にたくない怖い、ヤダヤダ

 いつの間にか目を開いて、口を固く結んで。地面が近い。もうすぐ激突

 死にたくない怖いコワイコワイ。せめてもの抵抗に手で頭を抱える。激突

 私の意識は途絶えた。地面には真っ赤な血と、肉の華が咲いていたことだろう。



気が向いたら後編

両断、首つりを書きます

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