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よろしくお願いします
次の日、予定通り俺らはギルドの前に集まった。
「今日からお前らよろしくな!」
「そうね、よろしくお願いするわ」
「よろしくお願いします」
「よろしくー」
嬉しい過ぎて、少々暑苦しかったかもしれないと思ったカイトだったが皆平気だったみたいだ。
「ところでどこいくのー?」
「昨日言っただろ、アル、ダンジョンに行くんだよ」
相変わらずアルはマイペースだった。
「じゃあ出発するぞ!」
カイトはかなりやる気に満ち溢れていた。
ーーーその頃ギルドで何やら問題が起きていた。
「おい、ニーナ、今クエスト受けてきた奴らになんの依頼見せた?」
「初心者の方でしたので攻略済みの、簡単なダンジョン探索のクエストを見せましたよ?」
「バカ!その紙よく見てみろ、それは新しく発見された未探索のダンジョンだぞ!」
「えええ!早く連れ戻さないければ!あー、彼らの救護隊出さないと!」
「生憎だが、それは出来んこっちも、ある一件で手がいっぱいなんだ。もし、奴らが帰って来なかったらお前クビだからな!」
ニーナを叱り終えると上司は去っていった。
「えぇー、お願いします、カイトさん達無事に帰ってきて下さい!」
ニーナは必死になって祈った。
ーーーー
そんなギルドの状況を知るわけがないカイト達は順調に、ダンジョンへ向かっていた。
出発してから5日が経った。
「あと、どのくらいでダンジョンに着きますかね?」
フェーンが質問してきた。
「明日には着くらしいぞ、だから今日はここら辺で、野宿する」
そういうとカイトはカバンからテントを取り出し建て始める。 持ってきた食料も、取り出そうとしたがダンジョンの事もあるので余り減らしたくなかった。
それの心情を察知したフェーンがある提案をした。
「僕、食材取ってくるんで、僕の手料理食べてもらってもいいですか?僕こうやって仲間に食べて貰う事が夢だったんです!」
目をキラキラさせながら皆に問いかけた。
フェーンが森に入り材料を採りに行ってから1時間がたった頃がやっと戻ってきた。
「すいません結構時間かけてしまって」
そう言ってフェーンは料理を作り初め喋り出す。
「僕、今までスキル1つだけだから、パーティーに入れて貰えなかったんです、だから折角腕によりをかけて作っても誰も食べてくれる人が居なくて……」
カイト達は、フェーンに同情した。
「いくらでも食べてやるから沢山つくってくれ!」
「そうですわ!何でも食べますのよ」
「お腹減ったー」
皆は、そのご飯を、お腹いっぱいになるまで食べた。
「いやー美味かった、それにしても、料理上手いな、なんでこんなに上手いだ?」
フェーンは語り出した。
「僕は、パーティーに入ったら余り、活躍出来ないと思ったから、他の事出来るようになろうと思って頑張ったんです。でも、結局誰も僕を入れてくれなかったら、今こうやって、パーティーに入れてた事が凄い嬉しいんです……」
途中から涙をすすりながら話した。
「すいません、なんかこんな話し聞いてもらって……」
カイトはフェーンの肩に手を回しを抱き寄せた。
「フェーンずっとこの、パーティーでいましょうね!!」
エレンが泣きながら飛びついた。
「アルもずっと一緒」
アルも飛び込んで行った。
それからお互いに肩を抱き合った。
「ずっとこのパーティーで冒険しよう!」
その夜、皆で手をかさね合わせ、誓いあった。
読んでくれありがとうございます