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よろしくお願いします
パーティーを組むことにしたカイトは掲示板の前にやってきた。
掲示板をみるとそこには、仲間募集の張り紙がいくつかあった。
「どれどれ、条件はスキル3つ以上?こっちは5つ以上?」
拉致があかない、これは直談判に行くしかない。
カイトはあらゆるパーティーを探して自分を売り込んで回った。
「スキルが1つだ?いらんいらん帰れ」
「雑用ならもう間に合ってるからいいよ」
スキルが1つという理由だけで片っ端から断られた。
結局、カイトは自らパーティーを結成することにした。
募集欄には自分のスキル数、書かなくてはいけないこれはスキルが1つのカイトにとって大きな壁となると思っていた。
書きたくないな……
そう思いつつも渋々書いた。
《初心者大歓迎!私のスキルは1つだけ!スキル何個でも可、3日後ギルドの食堂、端の席で待ってます。》
「お願いします、誰か来てください!」
カイトは、掲示板の前で祈ったのであった。
3日後、募集欄に書いた通りは食堂の端で待っていた。
すると3人の冒険者がやってきて椅子に座った。
早速カイトが、自己紹介を始めた。
「じゃあ自己紹介から始めようか、俺はカイトちなみに自慢する事じゃないが、スキルは1つだけで、得意武器は短剣、素手でもある程度は出来ると思う、ランクはFの初心者だ、よろしくな」
次にカイトの右隣から話し始める。
「じゃあ、次は私の番ですわね、名前はエレンですわ、私もスキルは1つだけよ安心して、武器は双剣かしらね、ちなみに私もFよ」
エレンは面倒見が良さそうなお姉さんタイプの女性だ。
「次は僕だね名前はフェーン、僕もスキルは1つで武器は太刀が得意だよ、僕もFね。あと料理が得意だよ」
フェーンはいかにも美少年である。
「アルはアルだよ、スキルは1つ、ハンマー使ってる。ランクはわからないけど多分同じー」
アルは少し幼い少女のようにみえるが成人らしい。
みんな近接武器ばかりだった。
次に自分のスキルの紹介をし始めた。
「皆さんスキルは1つだけとおっしゃいましたわよね?私のスキルは《怪力》ですわ」
エレンが、話し始める。
「俺も《怪力》なんだけど」
「僕も同じです!!」
「またアルも一緒だー」
(????)
その場が一瞬にして凍りついた。
(なんかゴリゴリの戦闘集団になりそうだ……)
「な、何とかなりますよ」
しばらく沈黙が続いたあとフェーンがそう切り出した。
「そうですわ、これは運命ですわ!」
すかさずエレンもフォローする。
「そ、そうだ!皆の実力も知りたいからとりあえずに行かないか?」
そう言うとカイトは、クエストを受けるために受付にパーティー申請を出し、出したあとクエストを受けた。
「初心者でも行けるクエスト下さい」
「パーティー組むことが出来たんですね、おめでとうございます、そうですね、こちらのランク帯だと、こちらになりますね」
そう言って彼女はクエストを差し出した。
「じゃあ行ってきます!」
カイトは元気よくクエストを受けた。
ダンジョン探索型クエストだった。
「じゃあ明日からよろしく!明日の朝、ギルド前集合な、今日はとりあえず解散!」
その日は皆、各々の宿に帰っていった。
ありがとうございます!