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訪問
こんにちは?夜華です。これを読んでくれてありがとうございます( ̄∇ ̄ノノ"パチパチパチ!!
拙い文章ですが、どうぞよしなに…
-ミーンミンミンミンミン
今年も蝉が五月蝿く鳴いている
汗ばんだ額に涼し気なハンカチをあてて、浅野は扉を開いた。
「おばさん、こんにちは。」
「あらまぁ、浅野君じゃないの!お久しぶりねぇ。」
「本当にお久しぶりです。」
朗らかな彼女につられ、思わず相好を崩した。
「今年も凜桜に逢いに来ました。凜桜はいますか?」
「ええ、勿論!ささ、娘が待っているわ早くお上がりなさい。」
「ありがとうございます。」
彼女について、畳の間に入った。
畳を新調したのか、真新しいイグサの香りがする。
ふと顔を上げると、そこには眩しい笑顔をした凜桜がいた。
『や、浅野!久しぶりだねぇ!元気にしてた?』
-----勿論、元気だよ。
そう呟いては見たけれど、彼女に届くことはもうないだろう。