表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
桜の世紀  作者: 愛媛のふーさん
15/25

死闘5

 『鳥安』は中央公園の傍に有った。瑠璃の言った通り親子丼と焼き鳥、酒とジュースだけの店だ。しかし、店名の通り安さと夕方から朝迄の遅い夜中も営業するスタイルで、街の住人達に愛されている。蓮達は入口を開け暖簾をくぐった。瑠璃の姿を見た主人は愛想良く声をかける。

「いらっしゃいませ。6名様にその狼もご一緒スか?」

「良いかえ?」

「良いスよ」

「人数分の親子丼と焼き鳥盛り合わせ。良いわいな?私に日本酒」

「私は白ワインさね」

「私達はジュースで。疾風、この狼犬には味付けせず煮た鶏肉を」 

「あいよ」

 琢磨は店の前で瑠璃を背中から降ろすと、変身を解き人の姿になり防弾防刃スーツに袖を通して居た。狼男の姿じゃあ食事採り辛いからだ。料理が出来る迄の会話の主役は〈最危険区画〉だった。

「術に必要な植物や妖物の繁殖場所なんですね」

蓮が瑠璃とマダム・マルソーに確認する。マルソーが答えた。

「そうさね。住人達がそれぞれ放ったり、撒いたりしたのが野良生えで危険な生態系が出来上がり、夜はもの凄く危険なんで最危険区画と呼ぶ様になった」

「住人達もよほどの目的が無いと、夜は入らないわえ」

瑠璃も言い添えた。遼が訊く。

「昼間の危険度はどのくらい?」

「地雷原と思って貰えば良いさね」

マダムが答える。その時

「お待ち。親子丼と柔らかく煮た鶏肉」

主人が持って来る。テーブルに丼を置き、足下に踞る疾風の前に皿を置いた。

「いただきます」

揃って手を合わせると、蓋を開ける。黄金色の玉子と緑色の葱のバランスが美しい。味も抜群だ。御飯は、はがまのお釜で炊いたもので粒が立ってる。

「凄く旨いやん」

「本当」

千堂と琢磨が感嘆の声を上げる。其処に瑠璃とマダムの酒と蓮達のジュースが運ばれた。その後に大皿いっぱいの焼き鳥盛り合わせ。もも、葱ま、皮、レバー、ハツ、つくね、それぞれがタレと塩で焼かれている。此方も絶品だ。旨いを連発して飲んで喰う。瑠璃とマダムはなりよりと言ってのんびり飲み食いしていた。疾風も満足そうだ。

「地雷原かぁ。注意が必要な場所ってことですよね?」

「そうさね。気の抜け無い場所よ」

「まあなあ。かなりの部分は、住人達が採取用のルート切り開いてるから大丈夫だわいな」

蓮と瑠璃とマルソーの会話に遼が

「それも有ってお二人が協力して下さるのはありがたい。最深部迄、採取に行かれるのは住人でも一握りと伺ってます」

割り込む。

「確かに最深部での採取の経験は、私達が一番豊富さね」

マダムはそう言うと、塩のハツの串をかじってグラスの冷えた白ワインを流し込んだ。千堂は会話に加わる素振りも見せずに飲み食いに没頭していた。琢磨も同様だ。よほどお腹が空いてたのだろう。食事は穏やかに終わろうとしていた。

「ここじゃない?」

「そうだ。そうだ鳥安間違い無い」

若い男女の声がして戸が開けられ蓮達と同じ格好の二人組が入ってきた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ