9月5日(3)「相談所の朝食」
午前8時。
今朝寝たのが5時前だったのでまだ3時間も経っていなかった。
だが、非情にも暖かさを蓄えた布団が何者かに奪われたのは、レム睡眠からノンレム睡眠に切り替わろうとしている微妙な時間だった。
「ほらっ! 朝よ起きなさい!」
僕の体を揺さぶっているのは声からして祈だろうけど、僕はそうされても起きるつもりは無かった。 別に朝からやる事も無いし・・・。
奪われた惰眠の時間と掛け布団を取り返すべく、僕は目を硬く閉じながら手をバタバタと振ってみる。 すると、その手に何か柔らかく暖かいものが触れた。 体温の残った掛け布団だろう。
僕はそれを力任せに引き寄せて、抱き枕のように両腕両足で挟み込む。
「んん〜ん!? あ・・・あったかい・・・」
「・・・・・・・・・・あったかいね」
「掛け布団」は僕の腕の中に救出された事で安堵の溜息をついていた。 一度は悪魔によって引き裂かれた僕等だが、その思いは同じくして相思相愛だった。
このままずっと、夢の中でいさせてほしい・・・。
「・・・・・・遅刻しちゃう・・・」
「掛け布団」はそんな事を呟いていた。 それにしても、暖かいけど局部的というか、いつもの包み込む暖かさが無い。
僕は顔を覆うように「布地」を引き寄せた。
いつもより何故か薄い布地だったが、暖かさはあったので疑問にも思わなかった。
なんというか、当たり前だが人肌の温もりで・・・。
「きゃぁあ!? な・・・なんて事するのよミチオ!」
ミチオ?
「賭け布団」にしては名前まで呼んで来る。
何かおかしいと、僕は眼を開けてみる事にした。
「ぶっ!?」
そこには・・・
涙目になりながら、自分の体を、抱くようにしている祈が居た。
上半身裸で。
その姿に思い当たって、手に握っていた布地が、彼女のシャツだったりする事に、気付いちゃったりしてしまう。
そう。 気付いちゃったりしちゃったりしたわけだ。
「・・・・・・遺言を聞いてあげるわ・・・ミ・チ・オ?」
笑顔だが目が笑っていない祈様。
寝惚けて抱き寄せて、しかも脱がしたなんて、どう言い訳すればいいんだろう・・・。
どうする?
1.素直に謝る
2.まだ寝惚けた振りをする
3.祈の魅力に負けたと言う
そんな三択が頭の中に浮かんだ。
とゆーかそんな三択しか無いの!?
一番妥当そうなのは1番の「素直に謝る」だろうけど、2番とかもいいかもしれない。
・・・いや、2番は余計機嫌が悪くなりそうだね・・・。
機嫌? という事は・・・3番! 間違い無い!
⇒3.祈の魅力に負けたと言う
を選択してみた。
「ご、ごめん祈! 祈があんまり可愛かったから・・・寝惚けた振りをしてたんだよ」
「み・・・」
「み?」
「見え透いたウソ付くんじゃないわよぉ〜〜〜〜!!!」
僕の手からシャツを取り返してそれを拳に巻きつける祈。 布地で硬くなった拳が僕の横面を叩く衝撃は、脳がブレるかと思う程のハードパンチだった。
お陰で完全に目が覚めたが、一瞬それを通り越して逝ってしまいそうになったのは秘密だ。
夢の世界からあの世へ一足飛びジャンプするつもりは無いので素直に謝りながら起きる事にした。
ふと、時計を見る。
時間は8:07分
「あたた・・・。 まだ朝じゃないか? こんな時間に起きなくても、今日は昼から起き様かと思ってたんだけど・・・」
「何言ってるのよ! 私は学校だし、ミチオも明るい内の仕事があるでしょ? 昼間の方の仕事も依頼が3件来てたわよ。 どうするかは一応ミチオが決めなさい。 私的には全部受けるのが信用が得られていいと思うわ」
「昼の方が3件もっ!?」
僕は祈の言葉に完全に覚醒した。
普段は仕事の依頼なんて一週間に一回あるか無いかなので、僕は興奮してしまって事務所へ飛び出そうとするが、それを呆れた声で止められる。
「待ちなさい。 ミチオ、そのまま出て行く気?」
「え・・・?」
言われて、改めて自分の姿を確認すると、僕はまだ寝巻き姿だった。 頭には水色の三角帽子まで被っている。
少しファンシーな格好だが、大き目の枕を抱えて無かっただけマシかと思う。
「うわっ!? き、着替えるよ!」
「そう。 じゃあ、早くしなさい。 私もう時間だから先に出るわよ」
「あ、うん。 いってらっしゃいっ!」
「ん。 行って来ます♪」
そう言って祈は赤いランドセルを背中に背負い直しながら、笑顔で僕の部屋を出て行った。
ほんの数日前まで一人で住んでいたこの相談所で、「いってらっしゃい」を言う日が来るとは思わなかった。
それが自分の家族とかでは無く、少し込み入った事情の赤の他人だと言うのも変な話だが・・・。
僕は普段着に着替えようとして少し思い直した。
祈は行ってしまったが、相談所にはまだラビアンローズの人達が居る。
「おはよう」を言う相手が4人も増えてしまった事はとりあえず置いておいて・・・。
一応立場上責任者なので少しはまともな格好をしようと思った。
クローゼットを開けて、掛けられていた服を数枚とって選びながら、シックなブラウン系の背広に袖を通した。
なんだか会社員みたいだけど、たまには良いかと思う。
似合ってないけどね。
僕は事務所に行くと、台所にあるテーブルに一人分の朝食が並べられていた。
そこに3人の女性が座っていたが、僕の姿を見ると、全員が立ち上がり「おはようございます所長」とか言われてしまった。
・・・・・・僕いつの間にラビアンローズの支部所長になってるの?
「おはようございます。ミチオさん、良く眠れましたか?」
「おかげさまで」
こっちが何時に寝たかなんて知っているハズなのに、僕は小木曽さんに、そんな嫌味を言われたかと思ってしまう。
いや、彼女達だって昨日の「夜の仕事」の現場に居たのだから、僕とほぼ変わらない睡眠時間のハズだ。 だから3時間も寝てない。
それなのに、それを感じさせない笑みを浮かべる小木曽さんは、実は若いのかもしれない。
30付近が若くないとは言わないけど、実際の年は本人から聞いてないので見た目だけでの判断だけど・・・。
見た目だけで言えば、20台に見えなくも無いのだけど、それは前に「見る目が無い」と祈に言われてしまったので訂正してある。
そんな事を重いながら、僕はテーブルに乗っている「一人分の朝食」に気を移した。
後で聞くと「相談所の主より先に朝食を食べるな」と祈に厳命されているらしい。
そこまでしなくてもいいのに・・・。
昨晩の件で彼女達に逆らう事は出来ないのだろうけど・・・。
まぁ、その前に「居候」だけどね。
では、朝食のメニューは・・・。
白いご飯に、納豆、ひじき、豆腐、味噌汁。 ・・・と黒くて細長い物。
最後の黒い物体から視線を外しながら、僕は一般的な和の朝食に素直に感動した。
「納豆と豆腐以外は皆が分担して作りました。 どうぞお召し上がり下さい」
「へぇ・・・なんだか悪いね」
「いえいえ! 突然上がりこんできたのは私達なの。 これぐらいは当然なの」
「そうですね」
小木曽さんと、ナノカちゃんとレンちゃんが口を揃えて言ってくれる。
なんだかメイドを一気に雇ったような気分で少し恥ずかしかったが、嫌な気はしない。
「ありがとう。 誰がドレを作ったのかは教えてくれないの?」
「それは・・・当ててみてください♪」
そう言って茶目っ気たっぷりにウィンクする小木曽さん。 若いのか老けてるのか分かりにくい動作だよねソレ・・・。
僕はとりあえず席に座って朝食を頂こうと思う。
まずはご飯。
まぁ、これは「作る」じゃないとは思うけど、誰かがやった事は確かなんだろう。
炊き上がりからちゃんと蒸らしてあるのか、ふっくらしていて中々良かった。水加減が絶妙なのだろう。
「それは私です」
「ゴホッ!?」
何を食べようかと箸を動かそうとした矢先にレンちゃんに話しかけられた。 突然で気が向いてなかったのでむせてしまった。
「・・・・・・不味かったですか?」
「い・・・いや、そんな事は無いんだよ? ただ、ご飯担当って・・・と思っただけだよ」
「初めちょろちょろ中パッパ。 赤子泣いても首絞めるな・・・ですよ。 ご飯も立派な料理です。 それにお鍋で炊いたので普通より香ばしいハズです」
「へぇ〜・・・それは手の込んだ事を・・・」
チラリと台所を見ると、炊飯ジャーの電源は入っていなかった。 変わりにコンロに肉厚の鍋。
飯盒のような物で、火加減、水加減、時間のどれが狂っても美味しく炊き上げる事は出来ない。
焦げた匂いも無いし、それを感じさせない程自然に炊くというのはよっぽど技術が要るのだから・・・。
僕は、とても感心した。
それならば・・・と、僕は次に「ひじき」に箸を伸ばした。
それに一瞬小木曽さんがピクッと反応したような気がした。
なるほど、彼女が作ったのはコレだね・・・。
ひじきを炊くのも意外に面倒なのに、それを出来合いを買って来ずに作ったとなると、それだけで評価したいと思える。
見た目の表面が乾いているような気がするけど、それは腕の良し悪しだったりするのかもしれない。
だけど、こうやって作ってくれたという事が大事なのだ。
これが不味くても僕は笑顔で食べる事を心に誓った。
だが、その誓いも一瞬で霧散する。
「な・・・何コレ・・・苦いんだけど・・・」
それを口に入れて、僕は思わず吐き出しそうになった。 だけど、誓いを立てた事で、そうする前に一気に飲み込んでしまった。
「苦いというか・・・ええと、これ・・・ひじきじゃないよね? 小 木 曽 さん」
誰が作ったのかは先程の反応で分かっていたので名指しで質問する。
「・・・・・・キャベツです」
小木曽さんはオズオズとその「黒くて細長いひじきのような炭」について説明してくれた。
「うん。 備長炭とか脱臭とかになるし、いいよね・・・・ってなるかーーー!?」
一人ノリツッコミをしてしまったが、炭って確か発がん性無かったデスカ?
とりあえず、その「ひじき(偽者)」は置いておいて、次に味噌汁に手をつけた。
香りや見た目は普通で、とてもまともそうだったが、小木曽さんの例を教訓に警戒しながら少し啜ってみた。
「うっ・・・・・・!」
僕の反応を固唾を呑んで見守る三人。 見られながら食べるというのは落ち着かないが、それよりも、この味噌汁・・・
「美味いっ! 出汁がいいんだろうね。 薄すぎず濃すぎず、丁度良いよっ! 具も普通に豆腐とワカメだし完璧に味噌汁だね」
実際にとても美味しかったのだが、さっきの炭の後だから余計に美味しく感じられた。
これが一人1品目担当したとすると、後はナノカちゃんだけなので、僕は慢心の笑みでナノカちゃんを見た。
「・・・・・・えと、ミチオくん。 それ、私じゃないなの・・・」
「え? そうなの? じゃあ、小木曽さん? ・・・じゃないよね。 レンちゃん?」
僕はお椀に名前が書いているわけじゃないのに、お椀を持ち上げて見たりしなが聞いてみた。
炭の件で小木曽さんじゃない事は間違い無いが、レンちゃんも首を振って否定した。
小木曽さんが僕の言葉に拗ねてしまったが、それは仕方無い。
とすると・・・?
「それは祈様が作ってらっしゃいましたです」
「祈がっ!?」
驚きながらも改めて一口二口と飲んでみる。
毒が入ってたりするわけじゃない。
まともな味噌汁だった。
昨日僕と同じ様に仕事をしたのに、早起きして作ったというのか・・・・・・。
そう思ったと同時に、昨晩彼女の口を滑らした台詞を思い出してしまう。
僕に食べて貰う為に・・・いつも強気な祈が・・・。
今朝起こしに来てもらった事といい、彼女の気遣いに顔が少し赤くなってしまいそうになった。
さて、後は納豆と豆腐だけだね。
これは買ってきただけなので誰が作ったというわけじゃない。
もう一つ、存在を締め出している物があるが、それがナノカちゃんの手による創造物だという事は消去法で分かったのだが、僕は短命であるつもりは無い。
「・・・うく・・・ミチオくん酷いなの・・・」
その創造物を意図的に無視している事に気付いたのか、ナノカちゃんが涙目になっている。
泣かせるつもりはなかったので、僕はその創造物が乗っている皿を目の前に持ってきた。
それはどうやら魚の形をしていて「焼き魚のようなもの」のようだが、かろうじて原型を留めているだけで、「魚の形をしている炭」だった。
大きさはメザシぐらいだから多分そうなのだろう。
先程から偉そうな事を言っているが、僕自身一人での生活が長かったので料理は普通に出来る方だからだ。
だから食材を無駄にするような行為はキチンと自覚させたいと思う。
本人の為であり、僕の体の為でもある。
今この場に祈が居たら、小木曽さんとナノカちゃんは張り倒されているかもしれないしね。
「・・・・・・小木曽さん、ナノカちゃん。 二人とも焼き過ぎっていうレベルを超えてるよ。 こんなのはまともに食べれる代物じゃない」
ハッキリと告げる。
言っていて胸が痛んだけど、言わない方がよっぽど酷いと思う。
小木曽さんも、ナノカちゃんも僕の言葉にショックを受けているようだけど、泣いてヒステリーを起こしたりはしなかった。
「料理にはレシピがあるんだよ? それ通りに作らないといけない事も無いけど、基本はそれに忠実になった方が間違いは無いよ。 こういう失敗は経験不足って事だと思うからこれから頑張ってみるといいと思うよ」
「はい・・・」
「ごめんなさいなの・・・」
二人とも神妙は面持ちで反省してくれた。 それを見て何故かレンちゃんからの視線が痛い。
「言い過ぎですよ」という事かもしれないが、僕も言いたくて言っているわけじゃないんだよ?
「うん。 反省してるならいいと思うよ。 今度から気をつけてくれたらいいよ」
僕は言い終わるとメザシだったと思われる創造物と、ひじきの偽者を一片に片付けるためにご飯の上に乗せて、一気に掻き込む。
炭の味が酷く苦いが、ご飯と一緒ならばなんとかなりそうだ。
折角作ってもらったんだから、このまま捨てるのも忍びないし「まともに食べる」事が出来るものなら、こんなムリヤリな食べ方はしなかっただろう。
小木曽さんとナノカちゃんは慌てて僕を止めようと手を挙げていたけど、僕はそれに気付かない振りをして黒い物達を飲み込んでいった。
・・・・・・・・・
量が多くなかった事が幸いしてすぐに「炭達」を征服する事が出来た。 ご飯だけはまともだったから助かったけど、ご飯まで真っ黒だったらこんな事も出来なかっただろう。
僕は口直しに豆腐と納豆で締める事にする。
「冷奴にするなら絹ごしだよね〜」
豆腐には赤い物が乗っていたが、モミジオロシか何かだろうと箸を入れて口に運んだ。
しかし、それはモミジオロシでは無く、程よく酸っぱかった。
なるほど。 梅干しね。
これは良いだろう。 サッパリした冷奴が更にサッパリするし・・・。
「鰹節と悩んだんですが、朝ですしサッパリした方がいいかと・・・」
そう言って照れたように頬を描いたのは、なんと小木曽さんだった。
そういう気遣いが出来るのになんでさっきみたいな失敗をするの!?
僕には理解できなかったが、小木曽さんの料理は成功率がランダムなのかもしれない。
最後に納豆に醤油をかけて混ぜようとすると、それをナノカちゃんに手で制された。
「そのまま食べてOKなの。 タレは掛かってるの」
とか言うものだから、僕は薄く掛かっていた液体だけを掬って舐めてみた。
・・・・
そのまま食べなくて正解だった。
その納豆はあり得ないほど酸っぱかった。
梅干の比では無く、納豆が近付くとツンとくるような刺激臭までする。
「・・・・・・タレじゃなくて、これ原液って言うんだよ? ナノカちゃん・・・」
それはどうやら「酢」のようだった。
「えっと・・・お酢は体にいいって聞いた事あるの・・・・・・駄目だったの?」
「せめて何か混ぜてくれたら食べれたかもね・・・」
そうは言っても、これも「作ってもらった物」になってしまうので、僕は出来るだけ酢を落としてから豆腐を食べた。
なんというか、朝っぱらから疲れてしまう・・・。
後で料理の仕方について話そうと思いながら、おかわりもせずに朝食を僕は終えて、PCを立ち上げてメールをチェックする。
開封済みで見た事の無いメールが4件あった。
一件目は始末屋から、後の3件が昼間の仕事の依頼メールだった。
始末屋は昨日の仕事の後始末をする人で、「生きている者以外」を始末する職業の人達だ。
僕等の方は「掃除屋」であり、「ゴミ」を掃除するのが仕事だ。
どれが「ゴミ」かは依頼主が判断する事で、僕には関係無い事だ。
始末屋も、「生きている者」は排除しないので「不始末」までは始末してくれない。
という事で、「昨日の屋敷の騒ぎのような事はもう勘弁してくれ」と始末屋から釘を刺されてしまった。 メールには屋敷の警備員達等を代わりに「始末した」旨を知らせるメールだった。
ニュースには謎の大量殺人として報じされているらしい。
始末屋の仕事は現場に残った証拠さえも始末してしまう。
だから僕らはただ「掃除」するだけでいいのだ。
メールの中には「髪が残っていたので気をつけて欲しい」等と小言が色々書かれていたが、その中に「長い髪」とあったので僕じゃない。
こういう始末屋に支払うお金の相場はクライアントから貰う報酬の約半分から3分の1程だ。
どちらもリスクが大きいのでその辺りはまかりなら無い。
よって、正式な今回の取り分は大体80万ぐらいという事になる。
当分は暮らせるかな。
続いて仕事のメール。
1通目は「探し物」
2通目は「調査と手伝い」
3通目は「調査」
だった。
詳しく読むのは後にして、僕が食べ終わった後に食べ始めたラビアンローズの面々を見る。
祈は彼女達に昼間の仕事をさせると言っていたが・・・。正直不安になってしまった。
別に料理が出来れば仕事が出来るわけじゃないが、イージーミスを繰り返し見てしまった後では中々言い出せるものでは無い。
しかし・・・。
彼女達は何を食べている?
「ちょ・・・ちょっとソレ何!?」
テーブルの上にはトーストとサニーサイドアップ。 それに簡単なサラダとオニオンスープが乗っていた。
どれも見た目に美味しそうで、先程の炭とは格段の差だった。
「あ、コレも祈様が用意してくれたです。 和食か洋食か分からなかったので両方作っていったですよ〜凄いですね祈様は〜」
「初めからそれを食べさせてよっ!?」
先程ので一応お腹は膨れていたが、口直しの意味で僕は再び食卓に舞い戻った。
なんだか疲れるけど、こうして霧梨相談所の「普通の朝」が始まった。
【聖夜に銃声を 9月5日(3) 「相談所の朝食」終わり (4)に続く】