プロローグ
貴方は神を信じますか?
と聞かれたら何と答える?
「私、興味ありません」? それとも「全ては神の思し召しです」?
僕の答えは至ってシンプルだ。
『友達だよ』
僕はまともだ。
それは2学期が始まって間もない時だった。
僕にはあまり関係無いのだけど「彼女」には重要な事だったらしい。
彼女というのは僕の店の従業員なのだけど、彼女は女子学生だった。
僕はとある店を任されて居た。
まだ二十歳にもならない僕が、店長なんてやる事になったのは経緯を話すと2時間ドキュメンタリー並みに長くなるので割愛する。
話を戻すと僕の店は『桐梨相談所』という。
少し変わった店だったけど、それなりに売上が上がってる。
ちなみに『なんでも屋』って呼ばれてるのだけど、探偵みたいなものだ。
そんな適当な業種だったので普段は暇だった。
「まぁ、それも一興よね」とか言ってた、ただ一人の従業員はクビにした方がいいと思うけど、それはマズい。
だって彼女は…
「たっだいま〜!」
彼女のお帰りだ。
「お帰り。祈。今日は早いんだね? まだお昼過ぎだよ?」
此所は家じゃないよ?とかいう突っ込みは無い。 そんな事は彼女も分かってるだろうから言うだけ無駄だ。
そんな些細な事で彼女の機嫌を損ねるわけにはいかない。
「ん。 今日はお昼までだったのよ。 ミチオ、飲み物入れてよ」
「はいはい・・・」
恥ずかしながら僕の店は祈が居なければ成り立たないのだ。
彼女の名前は汐留 祈。
僕の店の従業員であり、
大切な友達であり、
小学生であり、
神である
…そんな女の子だった。
【聖夜に銃声を つづく】
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