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五十音詩集  作者: 橋本洋一


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夜桜

月明かりひらひら舞い散る花びら

桃色のシャワーが僕たちに降りそそぐ

儚さに溜息をついた

美しさに息を飲んだ


もう春が終わるだろう

緑色になるツラさを噛みしめる

それでも僕らは夜を見つめる

それだけが抵抗できる術だから


僕たちもやがて別れる日が来る

今夜を忘れないでいよう

せめて今夜だけは

ざあっと風が吹きぬけた


星たちが輝く夜は

なんだか切ない

美しいはずなのに

涙が溢れてくる


月明かりひらひら舞い散る花びら

想い出になる美しい欠片

僕たちは手をつなぐ

いつまでもいつまでも

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