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流石ヒロインだね。2話


今日はフィーリアの7歳の誕生日。

私の誕生日から遅れること3ヶ月だがお祝いをしてあげよう。

リリアには毎年している(お父様やお母様が率先してお祝いしているからリリアはかなり特別視されてる)し、仲の良くなったメイドにも声かけたりお菓子をあげたりしているが特に仲の良いミミのノルルには少し考えたプレゼントを贈ったりもしている。


だからフィーリアも祝ってあげようと思った。だが彼女は休みをとり家に帰ってしまった。まだ子供なのだし、子爵家とはいえ、貴族。誕生日は盛大に祝われることだろう。


だから仕方ないと割り切ることも難しい。私の中にある彼女への悪感情が強くなるのを感じ抑え込む。


これは設定のせいなのだ。これにも一応の決着というかひと段落つけようと思っていたのに…


仕方ない戻ってくるまでに、情報を整理しておこう。



━━━━━━



よし!今日は朝からフィーリアの予定も確認出来たし、2人だけで話せるよう時間を作れた!


理解してもらえないかもしれないが少しでも作戦を進めるぞ!



「ライラ様、失礼します」

フィーリアが私の部屋にくる。

今はリリアにはフィーリアと2人だけで話したいことがあると正直に言い取計らってもらった。

理由も詳しく聞かないで信じてくれるのは本当にありがたいことだ。


「えっと、椅子に座っていいよ」

「あ、はい」


フィーリアと対面に座り何から話すかを考える。

よし、やろう。


「あのね、今から話すことは信じられないことかも知れないけどとりあえず聞いて欲しいんだ」

「ライラ様のお話であれば…」

「えっと、まず"神子"って知ってる?」

「シンシですか?いえ聞いたこと無いですね」

「神子はこの世界の神が新たな神の卵として人間界に産みだす存在のことで神子は皆強い力を持っている。全ての神子が神になる訳では無い、というかほとんど神にはならず神子であることにも気がつかないことが多いんだけどね。」


フィーリアは真剣に聞いてくれている。

特に動揺した様子も嘘をついている様子も無い。

闇属性の魔法は人を欺き操る力があるが、それ故に嘘に対して敏感になる。

闇属性の魔法である以上光の属性であるフィーリアには効果は薄いだろうけども…


「それでここからが本題なんだけど、私とあなたはおそらく神子なんだ」

「え、ライラ様って神様になるんですか!?」

「いや、神様に絶対なる訳でも無いしフィーリアもそうなんだけどね…」


うーん、騙されてる感じはしないし本当に天然だと思うんだよなぁ…

「普通は気づかない人がほとんどなんですよね?どうやって分かるんですか?」


まぁそこを、聞かれるよね。ほとんど、ごり押しだけど対策はしてある。


「私の場合は神様のお告げみたいなのがあったんだよ、そして本何かを読んで確信を得たってところだね」


不思議そうな顔をされている。確かにこの発言だけでは電波か中二病だろう。しかしさらに理由はあるのだ。


「フィーリアは私の居場所が不自然にわかったり私から目が離せないことは無い?」

「あ!あります!ライラ様を呼びに行くときに部屋にいるって聞いててもお庭にいるような気がしたら本当に居ることがあったんです。」

「やっぱりね。私は闇の属性の神子だから闇の神の影響を受けている。逆にあなたは光の神の影響を受けているんだ。光神と闇神と四神の神話は知っている?」

「まぁだいたいは知ってます。光神が闇神を封印した話ですよね」

「ええ、それだね。私はその影響で他の神力を感じると気分が悪くなる。あなたは封印を解くことが出来る可能性のある私を監視するため気配を探ってしまう。その現象が起きているから間違い無いと思うんだ」


結果からの逆算した理論だけどそれなりに押し通せるはずだ。


「なるほど、やっぱりライラ様は物知りで頭が良いんですね!」


…疑うどころか褒められた!

まぁ納得してくれたならいいか。


よしこのまま作戦を押し通す。


「私はもちろん邪神として封印されている闇神を解しようなんて思ってない。むしろその呪いから逃げたいと思ってる。光の属性を持つ魔法使いのあなたがいればそれも可能になるはずだから助けて欲しいんだ」


邪教に拐われることなく進んだ場合フィーリアの力が万全に発揮されれば私はギリギリ救われたかも知れないと公式でも言われていた。

もちろん原作のライラはフィーリアが苦手だから助けてなんて求めない。

勇者もファーリアルートではライラを敵だと認識するから助けてはくれない。

私が助かるためにはフィーリアと協力することが必要なのだ。


「もちろんフィーリアが困ったことがあれば私にできることなら助けになる。どうだろう?」

「えっと、それって友達になろうってことですか?」

「えっ!?友達?」


あれそんな話だった?


「あれ、困ったら助け合おうってことは友達になろうってことじゃ無いんですか?あ!でも私は侍女見習いでライラ様はご主人様だからそんなのダメなんですね…」


なんかフィーリアは1人で盛り上がってひとりで落ち込んでいる。

うん、友達か。確かに立場に違いはあるが、フィーリアの見習い業は魔法訓練のためだし、問題無いはずだ。というか私が一番友達になりたいし!


「大丈夫だよ、そうだね。友達になろう」

「え、本当ですか!それじゃあ私たちは今から友達ですね!」

「もちろん立場を考えて仕事の時はしっかり働いてもらうけど、それ以外は友達ね!」

「はい!私、ライラ様ともっと仲良くなりたいです!」


なんか予想外の方向性になったが、悪く無い決着かな?

フィーリアのヒロインって設定は伊達じゃないな。



同じヒロインなのに悪巧みしたうえ、相手に良いように流されてしまったヒロイン(笑)な私とは大違いだ。




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