初夢(さるゆめ!)
「面白い初夢を見たぞ」
「うわあ!
最高の人生ですね、ボツリヌス様!」
「え?
あ、いや、そこまででもないがの」
「どんな夢だったんですか?」
「なんか、猿の電車に乗ったわ」
「あ、それ知ってる」
「『猿夢』というらしいの」
「都市伝説でも、かなりヤバい部類の奴ですよ。
だ、大丈夫でした?」
「夢の中で小人達に活作りにされたわ」
「全然だいじょばなかった」
「死ぬかと思ったぞ。
常人の精神力なら、まあまず即死じゃろう。
私は楽しかったけど」
「その後、どうしたんですか?」
「夢の中じゃしのう、もとの姿に戻ったわ」
「もうなんか、聞いちゃいけない話になってきた」
「小人達も『ファ!?』て驚いておったが。
気を取り直して私の目とかえぐり出し始めおった」
「痛くなかったですか?」
「死ぬかと思ったぞ。
常人の精神力なら、まあまず即死じゃろう。
私は楽しかったけど」
「その後、どうしたんですか?」
「夢の中じゃしのう、もとの姿に戻ったわ。
小人達も『ファ!?』て驚いておった」
「次は、確か『挽き肉』ですよね」
「うむ、『次は挽き肉です~』と電車内で放送があったからの。
思わずはんばーぐもーどになってしまったわ」
ジャアアアアアン!➡⚪<はんばーぐもーど!
「……小人達も、びっくりしたでしょうね」
「しばらく呆然と眺められた後、なんか、ぺちぺち叩かれて、起こされたわ」プルプル
「……良かったですね」
「良いものか、せっかく楽しい夢であったのに!
急いで二度寝をしたんじゃが。
ななななんと、その時!
『また寝るんですか~もうこないで下さいね~』
と電車のアナウンスの声がはっきりと聞こえたんじゃよ!!
実際の世界で、じゃよ?」プルプル
「おお、怖い怖い」
「それから、あの夢は見ておらんが、次に見た時にはきっと心臓麻痺か何かで死ぬと覚悟しておる。
こっちの世界では心臓麻痺でも、あっちの世界は挽肉じゃ……」プルプル
「既に挽き肉じゃないですか」
「」プルプル
「嬉しそうに震えないで下さい」




