9月15日 中秋の名月
「」パクパク
「うむ」モグモグ
「夕陽が沈む」パクパク
「素晴らしい誰そ彼じゃ」モグモグ
「耳を澄ませば」パクパク
「遠くから聞こえる虫の声と蝉の声」モグモグ
「夏と秋の間」パクパク
「昼と夜の間」モグモグ
「そんなたいみんぐで起こる夢の共演じゃ」パクパク
「なんだか得した気分」モグモグ
「」パクパク
「おお」モグモグ
「あちらからは月が出たのう」パクパク
「中秋の名月、か」モグモグ
「昔はイタコの仲間内で眺めたものじゃ」パクパク
「まあ、私を含めてほとんど目が見えない者達じゃったが」モグモグ
「月が見えなくとも楽しかった」モグモグ
「何故か護摩行大会とかやっておったのう」パクパク
「風情もへったくれもあったものじゃないわ」モグモグ
「」パクパク
「む」モグ・・・
「一句出来た」サラサラッ
「『名月や 花より団子 ボツリヌス』」
「ふむ」パクパク
「松尾芭蕉を超えたか」モグモグ
「」パクパク
「そういえば」モグ・・・
「今年の満月は9月17日らしいの」
「つまり今年の中秋の名月は、ちょい欠けじゃ」
「満ちる直前の月って、私結構好きなんじゃ」
「13~14日目の、小望月とか幾望とか、そんなくらいの月が良い」
「」
「フゥ~、やっとススキを見つけて来ましたよ、ボツリヌス様!」
「おお、オーダーよ。
月は昇っておるぞ。
さあ、一緒に団子でも食べよう!」
「ボツリヌス様・・・団子は?」
「え?
・・・あ、あああああ!!」
「・・・成る程。
私が一生懸命ススキを探している間に。
ボツリヌス様は団子を食べ尽くしてしまった、と」
「こ、これには訳が・・・虫の声に気を取られて・・・」
「ふんふん、『虫の息になりたくて』それで?」
「(だ駄目じゃ。
まじぎれもーどじゃ)」
「(こうなったら秘奥技)」
「変~身!」カッ!
説明しよう。
ぼつりんは変身して巨大な肉団子になることが出来るのだ!
「(これで勘弁しておくれ)」プルプル
「はぁ・・・全くもう。
分かりました、許しましょう。
とりあえず団子用の台座に置きますよ」
「(助かった)」プルプル
「それにしても綺麗なお月様ですね」パクパク
「(食べられておる)」プルプル
ひとくち会話:
「ん?なんですかコレは」ペラッ
「(む、それは!
芭蕉泣かせの私の自信作!!)」
「うわッ・・・こんなん見せられたら、芭蕉さんとか泣くでしょうね」
「(ぬふふ、そうじゃろう、そうじゃろう!)」




