7月7日 七夕
「♪さーさー さーさー さーさささー♪」
「流石ボツリヌス様、ジャ〇ラックも文句は言えませんね」
「おお、オーダーよ。
短冊を飾るの、手伝っておくれ」
「はいはい、肩車で良いですか?
よいしょっと。
……そういえば、ボツリヌス様。
『きんぎんすなご』ってなんなんでしょうねえ」
「……。
そうか、オーダーは知らぬか。
『河砂子』を」
「かわすなご?」
「河に生息する妖怪じゃよ。
川を渡る人間を殺して食らうと言う」
「じゃ、じゃあ、『きんぎんすなご』というのは……」
「天の川に生息する河砂子の亜種、『金砂子』と『銀砂子』のことじゃ」
「そ、それじゃあ、彦星は……」
「……ああ。
残念じゃが、恐らく、もう……」
「ぐ・ぐ・ぐ……」
「……どうしたんじゃ、オーダーよ」
「ぐお―――――――!!」
「……あれ、どこかへ行ってしまいおった。
……何もかもが全部、全て丸っと、嘘じゃのに」
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―数時間後―
「ただいま帰りました、ボツリヌス様」
「おお、お帰り、オーダーよ」
「むかついたので、ぶっ殺してきました」
ゴロンっ
「えっ」
「河砂子の首です」
「えっ」
「河砂子の首です」
「えっ」
「河砂子の首です」
「……」
「……」
「河砂子の首じゃ」
ひとくちメモ:金銀砂子とは。金箔、銀箔を細かくして粉状にしたもの。河砂子なんていない。




