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超弩級戦艦、異世界にて出航せよ!  作者: 峰原樹也
第一章 惑星ヘイズル
9/14

prologue:新造艦公試運転

 一ヶ月以上更新出来ず、誠にすいません。

誤字脱字、文章の構成などおかしな点が見つかれば報告お願い致します。

早急に対応致します。

あと軍事関係ですがほとんどうろ覚えの俄です。

間違っていた場合はご指摘お願い致します。

 惑星ヘイズル―――――破壊と創造の神キナールレインが創った世界。

この世界の歴はゼベレートと言い、一周期(一年間)を12の月(ウル(1月)キナ(2月)レウ(3月)リャーナ(4月)ゼール(5月)ミャーガ(6月)ミズィレ(7月)ウィズーナ(8月)ウィパル(9月)ゼンスアーラ(10月)ゼレーネ(11月)ゼートゥ(12月))となり、ひと月に四回ある一巡り(一週間)を分ける七つの日(地・火・水・風・雷・闇・光)がある。

そしてこの世界の特色を複数挙げるとするならば第一に空気汚染や水質汚染がほぼ(・・)無い事だろう。

その理由は至極簡単で、この星の文化レベルが中性ヨーロッパ並みが影響しているからだ。

 次にファンタジ-でお馴染みの『魔法』又は『魔術』と呼ばれる科学的証明が出来ない人智を越えた現象である。

 この魔法や魔術と呼ばる現象は、自由魔素(エーテル)の濃淡で構築や威力が変わる事は過去の賢人達が実証し、証明してきた神秘なる技術。

 この物語は神界から異世界との門を繋ぎ、出港した一隻と一人の軍記物語である――――――。


――――――――――――――


 ゼベレート歴3042年レウの第三雷の日。

惑星ヘイズルの中で一番大きい大陸、ネスト大陸とそのネスト大陸と隣の大陸であるルイステッド大陸、そしてさらに隣の西イルスノッド大陸の三つの大陸に囲われたスェツェール洋。

 その一部の海域では霧が発生しており非常に視界が悪くなっていた。

が陽が有るのため、少しはましな程度だが。

 そんな霧の中では防空警報や工場などのサイレンと似て非なる音が響いてもいた。

 そしてその霧の中をよく見ると四つの影が海面を浮かんで見える。

それら四つの影の共通点は胴体が細長く、先端から胴体に向かって広がり寸胴みたいな形を形成し、また先端に向かって細くなっている。

更に共通するものと言えば胴体の先端が海面を切り裂くかのように進んでいることだろう。

 そう、先程の影の正体は船であった。

しかし、その船は木造船特有の木目色(もくめしょく)ではなく金属特有の鉄色(てついろ)であった。

つまり金属を使った船であるのだ。

 だが、鉄の船自体は珍しくともないのだが、問題はその容姿と長さでだった。

通常木造船など船は船の背骨とも言える竜骨(キール)と呼ばれる物と船の肋骨の役割をするパーツを軸に造船されていくのだ。

しかし、この鉄の船は竜骨が存在せず、船首から海に向かって前斜めに造られていた。

そして前斜めに造られた船首は固定体当たり攻撃兵装である『衝角』と呼ばれる物だ。

 その船の甲板には回転式砲台にそれなりの大きさの大砲を載せた連装砲――――主砲が前後に二基配置されており、両舷側にはそれぞれ連装砲の大きさより小さい大砲―――副砲が五基ずつ載せられていた。

そして船体の真ん中に煙突が二本あり、その間には旗を掲げたマストがあった。


 そう、この船は軍艦である。

しかも、軍艦に詳しい人はこう答えるだろう――――まるで()ではないか、と。

 しかし、弩級戦艦より一回り小さめなサイズであるため、『巡洋艦』と言ったところであろうか。

 そんな第一次世界大戦時の弩級艦と同形なこの新造巡洋艦―――『ヤバルギア級重巡洋艦』は周囲に響くようにサイレンが響いていた。

その理由は――


「今から20.3cm(メルチ)複合連装砲(コンポジットデュアルカノン)の魔砲が発砲される!砲口付近のやつは直ちに退け!オーレンツ事件みたいな目に遭うぞ!」


 そうやって周りに対して、白色の軍服を来た男が周りに怒鳴り散らし、主砲の発砲を警告する。

そして先程男が言った『オーレンツ事件みたいな目に遭う』という言葉は主砲の発砲で実際に現場を見ていたから出た言葉であるのだ。

 実際過去に公試運転中で二度も人身事故があり、一度目は魔法を使った主砲射撃――略して魔砲射撃――で発砲時に出る濃厚な魔力圧を文字通り浴びるように降り掛かったオーレンツと言う男が公試運転後に高熱を出した後、死亡した『オーレンツ事件』と呼ばれる事件。

二度目の公試運転の主砲射撃は実体弾を使った演習で発砲時のブラスト圧で三半規管をやられたグリフトと言う男がもう二度と外の音が聞こえなくなった事がある。これを『グリフトの失態』と呼ばれているのである。

 

 閑話休題。

男が警告した主砲は三隻いるヤバルギア級重巡洋艦より小さい随伴艦――クォーツァー級と呼ばれる駆逐艦―――と共に艦が進む方向に向いていた砲身をゆっくりと艦首から約90度になるように旋回し、砲身を仰角零度にし、砲塔内に有る魔力貯蔵庫から実体弾の使用を兼ねる尾栓に描かれた方陣が反応し、砲口周りに高濃度魔力放射が集まり、水平線上の仮想敵に対し海面を割らんとばかりに四積分―――計十六本の魔力の奔流が迸る。そして残るのは魔砲によって押し下げられた海面が戻る音と放たれた魔砲の濃厚な魔力の残滓だけであった。


「いつ見ても綺麗で、そして儚いものだな....」


 それを艦上で見ていた壮年の男と妙齢な女の姿があった。

 そして先程の呟きは男の方であり、彼の格好は黒の軍帽に同じく黒のトレンチコートを着ていた。


「確かに綺麗ですね。ですがこれのせいで失われる命があることをお忘れなきよう、艦長」


 そして黒のトレンチコートを着た男を艦長と呼び、警告した女も男とほぼ同じような格好をしていた。


「君は他人にも自分にも厳しい。少しは自分に甘くしないと結婚相手がいなくなっちゃうよ」

「そうさせているのは艦長、貴方ですよ?」

「私は何もしていないよ」

「はぁ....、貴方の管理能力が常人より欠落しているからそれを自分が補っている為、結構したくてもできないのです。少しは自立しやがれ、です」

「うん、君が副艦で僕は嬉しいよ」

「貴方みたいな人が艦長だなんてなんの冗談なのでしょうね」


 こうして見るだけでは夫婦漫才にしか見えない。

しかし、この二人は付き合うどころか職場でさえ会う機会がない。

そしてこの光景を見た乗組員達は「また始まった」と言うような感じで事の顛末を見守っていた。


 そんな感じに艦上では穏やかな雰囲気になっていた傍らで艦内では少し緊迫感があった。


「おい、それは聞き間違いではないんだな?」


 神妙な表情な顔つきの男が、椅子に座り聴診器みたいな器具を着けている男にそう問い掛けた。

問いかけた方の男に含まれている声音の中には嘘であって欲しいと言う思いがあったのだが、問いかけられた男は


「はい。間違いなく魔力動力炉を使用した艦、しかもこの艦より大きいのがこの付近にいますね」


 それを聞いた問いかけた男は額に手を当て、上を仰ぐ。

それもその筈、このヤバルギア級重巡洋艦はつい三日前に建造が完了し、公試運転中であるからだ。


「取り敢えずこの事は艦長に話す。そして、もし敵対戦力ならやむをえず戦闘になるかもしれないからな」


 そう問いかけた男は問いかけられた男にそう伝えると重たい足取りで甲板に上がっていくのであった。

 


 ――――しかし、彼らは知らない。

この後に挑む事さえ封殺される存在と出会う事になるとは。

10/25 地の文を増設いたしました

10/27 (旧)「はい、間違いなく魔力動力炉を使用した艦がこの付近にいますね」 

    (新)「はい。間違いなく魔力動力炉を使用した艦、しかもこの艦より大きいのがこの付近にいますね」に変更しました


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