epilogue:超弩級戦艦建造・終
誤字脱字、文法や読みずらいところがありましたらバシバシ言ってください。
随時修整致します。
真っ白い空間に何故かそこそこの規模な港があり、その港で悠然と停泊中の戦艦の上に立っている影と横たわってる影がある。
立って居るのはこの空間の主でこの名も無き戦艦を造った《破壊と創造を司る神》であるキナールレインと横たわっているのは妙な死因で此処に赴き、キナールレインに記憶と感情を消された《相良七洋》である。
「ふう・・・・」
そしてキナールレインはつい先程欲望に関するデータを削除し終えたのでため息をついきながら甲板に倒れた。しかし硬い筈の甲板に倒れたのに硬質な音が聴こえなかった。それは何故か、神様だからである。
そして――――――
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!ごめんよぉぉぉぉぉぉ!!容量を増やすにはそれしか手が無かったのよぉぉぉ!!ごめんよぉぉぉぉぉぉ!!ごめんよぉぉぉぉぉぉ!!」
倒れて間もなくまるで駄々っ子の様に手足をバタバタさせて謝罪する神がいた。
そして足をバタバタさせる度に彼女の服が広がり、大切なナニかが見え隠れしている。
因みに相良七洋の前で女神だと信じ込ませるための演出の時、パンツの具現化するのを忘れた時には隠れて冷や汗をかいていた。
やはりこの女神は痴女である。
「うっ・・・・うっ・・・・」
一通り暴れたお陰で頭の中の整理が出来たのか起き上がった。
そしてその瞳は僅かだが濡れており目も少し赤い。
「せめての罪滅ぼし・・・・」
そう言うとキナールレインは相良の身体は光に包まれて消え、彼女の手の平には光の玉があった。
それは相良七洋の量子化した意識データである。
その意識データの半分を名も無き戦艦に与え、残った半分は魔力と共に構成された相良の新たな肉体を創る為に手をかざす。
次に意識データと共に相良の肉体を構成する。
そして名も無き戦艦と相良の意識データを接続し、緊急時にはバックアップデータを相互共に送れるようにする。
そうすることにより、相良は身体と戦艦を同時に破壊されない限り擬似的な不老不死を得ることが出来る。
「次に戦艦のスペック情報をインストール・・・・」
更にキナールレインの手が光り、魔力の塊である相良の生態データを上書き保存していく。
これは七洋が行く世界では常識な《魔法》または《魔術》と呼ばれる地球にはない技術である。
その技術を駆使して相良の空いた容量に名も無き戦艦のスペック情報をインストールしていく。
「次に艦の運用に関する全権限を全てインストール・・・・ 」
武器管制、通信管制、機関管制などの艦に関する運用を譲渡と言う形でインストールしていく。
実はこれが一番容量を取られる為、仕方が無く感情データや記憶データなどを削除して空き容量を作ったのだ。
先程もキナールレインが泣きながら謝罪していた理由の主な物がこれであると言って過言ではない。
「うぅ、絶対にあの神怒ってる・・・・」
生命を司るアシュタレインは人道的な事を重んじる神でキナールレインがやっている事を是としない神であるのだ。
そしてアシュタレインとキナールレインは相思相愛の恋仲でもあるのだ。付き合う理由となったのは司る物が似ている、と言うだけで。
閑話休題。
艦の運用の権限データをインストールした事により相良は生態CPUとして完成したのである。
「さて、起動せよ」
キナールレインの合図と共に相良が起き上がった。
そしてその瞳には人間らしい光が見当たらず、どこか寒々しい。
「はじめまして主人。私の名前はなんですか」
記憶データを削除された為、削除前の名前を思い出せないのは仕方がない。
だからキナールレインは名も無き戦艦の黒ずんだ鋼色と相良の髪と瞳の色をかけあわせた―――――
「あなたの名前は黒鋼よ」
こうして相良改め、《超弩級戦艦 黒鋼》と《生態CPU クロガネ》が誕生したのだった
次はやっと出航です。
ここまで長かった....。