episode2:超弩級戦艦建造・中
今回は痴女神視点です。
どうも、皆様はじめまして、そしておはようございます。
私は《破壊と創成を司る神キナ》、真名はキナールレインと申します。
今からとある人に寝起きドッキリを仕掛けたいと思います。
それでは早速今回ドッキリを仕掛けるターゲットは地球という惑星でナイフを構えたまま寝た挙げ句、持っていたナイフが落下し、眉間に深々と突き刺さって死亡した間抜けな人間、相良七海。
因みに男である。が容姿と言うか顔が女っぽいのである。所謂男の娘と呼ばれる第三の性別である。
なお、今の服装は熊の顔をあしらったパジャマを着用していた。
地球の神々と彼の母親よ、素晴らしい仕事をしたわね!!!
....おほん。
では気を取り直して、彼の特異点を挙げるとすれば彼は今まで見てきた者たちとは少しだけ違っていた。
大概ここに来たものたちは例外を置かず、パニックに陥ったり泣き喚いたり怒りを表したりと様々な反応だった。
だから私は彼もここに来た当初はこの者も他者と変わらぬでだろう、そう思ってた。
しかし現実は違った。
まず一つ、この者は中々起きなかった。
再三に渡り起こせたと思ったら何故か気を悪くしたのか物凄く怒られた。
それから私は驚いた。
別段ここに来て怒りを表すこと自体は珍しいことではない。
事実、怒りを表した者は大抵元の世界に戻せと要求した者ばかりである。
だが彼が怒った理由が己の睡眠を邪魔されて怒ったのだ。
本当に彼は器が大きいのかただの馬鹿なのかさっぱり解らない。
そして二つ目、彼は私の趣味をも看破して見せたのだ。
他の神達には知られたくなかった趣味。そうミリタリーコレクション。
これを看破した事に驚いたが驚きよりも嬉しさが先に込み上げたためにみっともない醜態を晒してしまったものだ。
それと同時に彼は失礼な奴でもある。
出会って間もない私の格好を見て第一に思い浮かんだのが痴女と言うのだから。
しかも神界でお休みしている時に来るのだから尚タチが悪い。
せめて、そう、せめて着替える時間があれば痴女と呼ばれずに済んだものの....っ!
だからこそこの雪辱を果たすため、私は今回の寝起きドッキリを敢行するのである!
そして今は私の権限を最大限に駆使し、彼のいた国の逆くの字の島と南の大陸と似た形をした島の間にあるとある軍港を顕現させ、出来て間もない超弩級戦艦を停泊させた。
この超弩級戦艦が寝起きドッキリを成功させるためには欠かせないからだ。
ではなぜ私が寝起きドッキリを仕掛けるのか。
理由は二つあって、一つ目は痴女と呼ばれた事に対する雪辱を果たすため。
二つ目は『自分だけの戦艦が欲しい』と願いった彼だが、設計・建造をすべて私に丸投げした挙句にスヤスヤと寝ている相良七海を起こすためだ。
なので建造中に相良を第一主砲の砲口付近に配置して目覚ましを兼ねた実射実験を敢行する事にした。
「全砲門、射撃用意....」
そして現在この戦艦の所有権は製作者である私が握っているため、主砲・副砲・高角砲を含め、特に狙いを定めておらず、私の「撃てぇ」と言う合図を出すと全ての砲口から鼓膜を破りかねん轟音と爆炎・衝撃波と共に回転しながら唸る砲弾が吐き出された。
そして海面に着水したと同時に壮絶な水柱を立てた。
私は今回の製作で創り出された船体の前後に設置された大砲は主砲(主な大砲)で45口径の50.8cm連装砲が4基で8門。数的には前後に2基ずつ配置される感じである。
因みに戦艦〈大和〉の46cm砲の衝撃波実験で檻に入れた犬・猿が死亡した事例があるし、それが人体であっても致命傷にすらなり得るほどでもある。50.8cm砲なら尚更である。
そして副砲(主砲の補助)は55口径20.3cm三連装砲4基12門。
これは第二主砲と第四主砲の真横に充分砲塔回転できるくらいのスペースに配置される感じである。
それらが一斉に爆音と衝撃波を放ったらどうなるか。
結果は見えている。船体に大ダメージと人が確実に死ぬ。
しかしここは神界。そして、相良は死んだ者。
ここで死ぬことは無いし、例え身体が破損してもすぐに修復可能だ。
それに船体も私達の権限で大砲の一斉砲火しても壊れることは無い。
砲口付近で寝ていた(寝かしていたとも言う)相良は爆音で飛び起きふどころか衝撃波で艦首まで転がっていた。
ざまぁみろ!
それに、何も無い退屈な神界で私の楽しみを見出してくれた彼をもう少し弄んでみよう。
....あ、寝起きドッキリする前に着替えておけば良かった....。
正直言って地の文に艦のスペックを載せてやろうかと思ったけど一応思いとどまりましたですはい。
そして今回はセリフが少なめですいません。
次回の後半でセリフが沢山出す予定です。そして次でやっと超弩級戦艦が完成します。
8/24 地の文を増やしました。
8/25 〃
9/2 キナの真名を増やしました。