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0.資料、並びに前書き

元名探偵と名乗る少女、東浦明とううらめいと彼女の率いる「ミスド」を巡る日常系の推理小説。


Qミスドってなにさ?

A答えは冒頭の資料にて!


0.資料、並びに前書き


作成日 二〇一X年 九月 二十二日

第一次部活監査報告書

 まず初めに断っておきたいのは「ミスド」は大手ドーナツ販売店とは一切関係がないということである。何故このような部活動名にしたのかは部長である東浦に直接お尋ね頂きたい。ここで私が説明してもおそらく納得していただけないし、ふざけているとしか思ってもらえないからである。(後略)


作成者 川井相馬かわいそうま


 人と自動車はとっさの出来事に反応できない。これはどんな人間も例外ではない。

 冷えきった狭い部屋。古びた本棚。ダンボールの上に積み上げられた雑誌の山。部屋の隅にある机には、埃被った箱型のパソコンが放置されている。その他何に使用するのか判然としない幾多のガラクタが、この部屋には所狭しと並んでいる。学校とは思えない無秩序な部屋。

 女生徒は黒のストッキングで包んだ細い足で、しっかり床を踏みしめ、俺の元へ歩いてくる。

 赤と白にネイビーの線が走るプリーツスカートを揺らし、ブレザーの上に羽織っただぼだぼのベージュのコートを靡かせ、俺の目の前に立つ。

 肌の色はペールオレンジというにはあまりにも薄く、顎のラインも細い。黒いショートカットの頭髪やスカートと同じ色彩の赤いネクタイが、肌の色素の薄さを一層際立たせる。

 ただ、外見は薄く体格も華奢なのに、彼女は堂々としていた。風格がある、と言ってもいい。小さな唇は緩くカーブし不敵な笑みを浮かべ、二重まぶたの下では大きなダークブラウンの瞳が俺をじっと見ている。

 女生徒はすっと、右手を差し出した。


「はじめまして。『元』名探偵の東浦明とううらめいだ」


 「元」にアクセントを起きつつ、彼女はそう名乗った。

「は?」

 思わず声が出た。だってそうだろう? 目の前にいるこいつは自分のことを名探偵だと名乗ったのだ。(正確には元名探偵か)これがとっさの出来事じゃなくして何だというのだろう。


TIPS 5


⇒部室

「今回の件はどこにも漏れないと思ってるのかもしれないけど、実はウチの部活には新聞部と掛け持ちしてる部員が居るの。これってちょっとした奇跡よね。神様もたまにはいいことするじゃない!」

「……私にどうしろと」

「別に部室を大きくしろとか、予算を増やせという訳じゃないわ。

 私が望むのは現状維持よ」

「陰湿な手段を使ってるのはどっちなんですかねえ……」

⇒ミスド


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