Prologue 2
更新がかなりおくれました。これからもこんな調子でやっていきたいと思うので
よろしくお願いします。
国連によって展開されたENTIREは世界中に散らばっているまだ使える電子機器に、何年も前に利用されなくなったロシアの軍事衛星を用いてアクセスした。
そしてそれらを自分の手足として動かし始めた。ENTIREは生き残った人間に自分の手足となる機器を作らせ徐々にその支配力を強め、範囲を広げていった。
ENTIRE始動から5年。世界は一つの国として機能するまでに回復した。残された人間のほとんどはENTIREをトップとする完全制御国家、[ケージ]の住人となった。
ENTIREは国を高い壁で囲うことで外界から遮断。天井を巨大なガラスで覆った。
これでこの国はドーム型の形状をとったことになる。ドーム内部は気温、湿度、風速
日照時間までが制御可能であり、人も戸籍とも言うべきユニットIDによって識別、
管理されていた。
作物の安定供給、身体の安全が保証されたこの世界で人々は平和を享受していた。
しかし人々はただ生かされているだけだった。まるで檻の中で動き回る鳥のように。
檻の中で育った鳥はどうやって空を飛ぶことを覚えるのか。愚かな人間は自分が囚われの身であることを知らない。
更新は不定期です。