蒼穹への憧憬
青い空は初めからあったわけじゃない
幾億年の永きをかけて作られた
僕は見ている
風に乗って青空を泳ぐ白い雲を
物語の中では翼持つものたちは
この空を優雅に翔る
豊かな髪をふるわせた君の微笑み
いつからか君を好きだった
気がつくと瞳で追っていた
僕は聞こえる
小鳥のさえずり
風のうたごえ
そして君の明るい声
鈴も君より美しい音は出せないだろう
僕の見つめる君の輝いている横顔は
どっか遠くを見つめていて
僕が知るよしもないけれど
ほんのちょっと背のびして
君の髪を見降ろすくらいがいいよね
青空と君とを見比べていると
君が振り向いた
ドキドキして目をそらそうかと思ったけど
僕は大きく息を吸って言ったんだ
どうしたのって
君はかすかに微笑んで
今から一緒にかえろっていった
この澄んだ青空をこわしちゃいけない
空の美しさを知るのは人だけなのに
その空を人が汚してしまうなら
なんと悲しいことだろう
僕には感情がある
心がある
君を好きになれる
だからあの空のように澄んだ心でいよう
そしたら僕の中の君は
きっと輝いているだろう