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<85>旅立つあなたへ

数年という年月が経過していた。

セージは目的地へとたどり着くべく準備を進めていた。

 暴風の渦が襲い来る。吹き飛ばすという生易しいものではない。触れただけで破壊される空気という暴力である。それは地面に対し横回転の渦から縦回転へと切り替わると分裂して牙を剥いた。数は八つ。まさに八岐大蛇。

 ではどう対処する。

 竜巻の中心は無風。そうでなくても力とは根本こそ静かなもの。

 イメージを練り、口に出す。


  「〝強化せよ〟」


 地を蹴る。血流が滾る。筋肉が異常な発熱をみせ超常の力を発揮した。筋肉が盛り上がり血管が浮く。

 竜巻が頭をもたげ左右と上と正面を塞ぎ襲撃するそのわずかな隙間へと体をねじ込むと、竜巻に武器をねじ込みあえて上に吹き飛ばされる。だが上にも竜巻が控えていた。

 空中で武器を構えなおすと、呟きながら―――投擲した。

 飛ばされた勢いを利用した空中前転からの投げつけ。目標は己を狙い来る竜巻のど真ん中。


 「〝憤怒〟!」


 魔術が作動せず槍に纏わりつく。着弾。炸裂。不可視の威力が竜巻の半ばから四散させた。槍があらぬ方向に飛ばされる。

 人物は着地して軽やかに前転を決めて衝撃を和らげると、背後から叩きつけてくる竜巻でさえ追尾できない速度で疾走した。筋肉が異常なまでに膨れ上がっているが意に介さず、姿勢を低く、突っ込んでいく。


 「くっ!」


 相手に焦りの色が見えた。術を突破されるとは思ってもみなかったのだろう。

 人物は靴の裏がバカになる脚力を発揮すると地を蹴り猛禽の如く右手を前に突っ込んだ。相手が仰け反って躱そうとするも遅い。別の術で捕縛するにもすべてが遅すぎた。

 首をむんずと掴むと地面に押し倒し馬乗りになる。相手の背中が地面と擦れ合い砂埃をあげた。

 魔術が停止する。風が止み、舞い上がっていた木の葉たちがふわふわと地面へと帰ってきた。

 人物――――セージは、勝ち誇った顔をしてピースサインを突きつけてやった。


 「へん。俺の勝ちだなっ!」

 「負けました。本気で戦ったつもりだったんですが。速すぎて追い付かなかった」

 「ちょっとは格闘もやろうぜ。こう、接近された時に余裕ができる」

 「僕は魔術主力なので……。あと、そのですね。どいていただけると」

 「勝者の特権だよ。征服してやった証拠。んー、ほんと筋肉はついてる癖に、戦いの筋肉じゃないのな。なにこれカッコつけかなにか? カッコつけ筋肉?」

 「くすぐったいです! ちょ、待って!」


 セージは相手の腰のあたりに両足を広げるようにして座ったまま話していた。戦いで高揚しているのか、その座り方の影響に心を割いていない。腰のあたりに座ればどうなるか。わからないはずがないのだが、アドレナリンのせいで考えが及ばない。

 それどころか馬乗り姿勢で相手の筋肉の具合を見始めるものだからたまらない。相手はセージの足を大胆にも掴むと横に退けて立ち上がった。これ以上は理性が飛びそうだったからだ。

 二人して服がボロボロになっているが模擬専用の服なので気にも留めない。

 相手が立ち上がったのを見たセージは、服の埃を払うなどという面倒なことはせず、足を振った反動で立ち上がった。

 そして、面倒なことに気が付いた。愛用の槍がないではないか。


 「なぁルエ。俺の槍知らない?」

 「あっちの方飛んでった気がしますよ」


 指さす方には確かに槍が刺さっていた。さすがミスリル。歪み損傷傷一つなし。地面に対し斜めに刺さっていた。鼻歌を紡ぎつつ歩み寄れば右腕で引き抜き、くるくる弄んでみせると、おもむろに止めた。振り返る。

 そして二人は、里へと帰った。




 ルークのもとでの修行の数年間は充実していたと言えよう。戦争という暗い影も無くなって自由に外を出歩けるようになったから人の交流も再開されたのだ。

 セージとしては別の里にいるアネットやクララやロウもそうだしヴィーシカなどにも会えなくなるのは悲しくもあった。会えなくなる人が多すぎた。だが手紙のやり取りができるようになったのでさほど苦でもなかった。戦争で死ぬかもという重圧もなくなったので気が楽だった。

 さてルークのもとでの特訓であるが、なぜルークがそんなことを言い出したのかを、なんとなく悟っていた。特訓を餌に里にいさせることでルエと一緒にいさせようということであろう。

 仮にセージが鈍い人間だとしても、近場の部屋に住むように言われ、ことあるごとに二人セットで仕事をさせられ、戦闘訓練なども一緒にするように仕向けられたら、『何かおかしいぞ』と思ったであろう。

 里の中に入った二人はほど無くして別れた。手を振って去るセージと、名残惜しそうに見守るルエ。


 「じゃ、また後でな」

 「はい。また後で」


 自室に戻ってきたセージは槍を壁のラックに納めると、戦闘用の粗末な布服をベッドに投げやった。

 上半身は発達しており背筋が張っている。胸から肋骨の終わりにかけて異常なまでの量の包帯がぐるぐる巻きにしていた。一枚鏡の前に立つと解いていく。

 顔は真剣そのものだ。


 「胸なんざいらないんだよなぁ……」


 そう呟き包帯をはらりと解除すれば、平均よりも大きいであろう双丘が露出した。

 それは、腕の付け根と鎖骨から曖昧に発生し桜色の点を頂点に凛と張りつめた流線型を描いて腹筋の上に接する塊だった。あれから数年。包帯を巻いてみたり、アスリートの胸が小さいのは運動しているからなのだ論を信じてマラソンしてみたりしたが、このありさまである。

 腹筋は光陰の緩急つけた薄い凹凸を描いている。腕も、足も、緊張感を湛えている。脚部の線は幼いころよりも遥かに長くなっていた。柔らかみのある女の体というよりも戦いのための肉体である。それでも隠しきれない女性としての膨らみや脂肪はあり、引き締まった肉体はむしろ女性的魅力を引き立てているのだが。

 エルフ族を特徴づける耳も幼年期のような丸っぽさを脱ぎ捨てて、細く尖っていた。

 ただ一点。柔和な雰囲気を持ちながら鋭利さも兼ね備える眼光だけは変わっていない。

 体を拭こうとしてズボンを脱いで放る。凹凸のある腹部から下はなだらかに下って足の付け根へと繋がっている。年齢故、大切な個所を守るべくして茂った体毛もある。

 セージはセミロングのブロンド髪を乱暴に掻き毟ると、部屋の隅の壺から水を掬いタオルに染み込ませて全身を拭く。水浴び場まで面倒なので応急的なものだ。

 一通り清めると普段着を着込んで――それから部屋の隅に目をやった。皮と鉄の複合鎧。旅の装備。長年の愛用となる二連装クロスボウ。魔を封ずる力を宿した銀の剣。視線を壁へ。ルークから貸してもらった槍。

 セージは修行の末、ルエと戦い同等かそれ以上の力量を身に着けた。身を守るための技術を巨老人の里で学んだのとは異なる純粋な戦闘の技術である。さすがにルークの魔術にはかなわなかったが。

 装備から目を離すとベッドに寝転がって天井を仰ぐ。


 「頃合いだな………うん」


 セージは、明日にでも旅立とうと考えていた。馬の手配は済ましてある。路銀も里の仕事以外の肉体労働で溜めた。万が一のことがあった時の為に遺書まで記した。

 これは我儘だ。子供のような稚拙な夢なのだ。元の世界に帰る。そんな、夢物語を実現するため―――もしくは諦めるためのくだらない挑戦だ。

 だから誰にも付き合ってもらうつもりはないし頼るつもりもない。死んでもいいとさえ考えていた。〝あいつ〟に復讐して物事が解決するでもない。もしかすると悪化するかもしれない。けれど構わなかった。

 セージは、しばし時間を読書に使った。

 夕飯を食いに行くため部屋を出る。毎度のごとく、部屋の前で待機していたルエと鉢合わせした。


 「おっす。行こうぜ。もう腹ペコだわ」

 「もちろんです」


 ルエの無邪気な笑顔が胸に刺さる。

 夕食の席に着いた二人はパンとシチューをぱくつき始めた。


 「そうだ。今日は飲もう。あんま飲めないけど一杯くらいはいける」

 「なんなんです。突然に」

 「いいからいいから。たまにはいいだろ?」


 ふとセージは係りの者を呼びつけるとワインを注文した。すぐに運ばれてくるグラスをルエに渡すと、自分からグラスを掲げて乾杯の音頭を取る。


 「乾杯」

 「乾杯」


 渋みのある液体を一気に半分ほど飲んでしまう。かっと喉が熱くなった。グラスを置くとシチューをがつがつスプーンで掬ってパンを千切って食らう。

 ルエも同じくワインを飲むと食事を再開した。

 喋ることもないので黙々と食っていると、ルエがセージの顔を見つめながら、周囲に聞こえぬ程度の小声を呟いた。


 「発つ気でしょう。僕にはわかります。いきなり酒飲もうなんて言い出して、不自然すぎる」

 「なんのことやら俺にはさっぱりわからんね。大体、どこに発つんだよ。宝物でも探しに行くのか?」


 すかさず反論すると皮肉を口にしてワインを一気飲み。グラスが空になった。目的を看破されるはずがないという思い込みをしていたセージは心臓が痛いほど高まるのを感じた。ルエの静かな瞳が焦燥感をあらわにするセージの赤い頬をじっと見つめている。


 「ここ数年。ロウ師があなたに手渡した本について調べてきました。とある少数民族だけが持つという魔導技術をね。この里に留まろうとした理由も、それなんじゃないですか」

 「……………この里綺麗だからな。永住したくなった」

 「永住したいのに外へ行くんですか? ちなみに巨老人らにも話は聞いてあります」

 「………ッ。ごちそうさま!」

 「セージ!」


 セージは手が震えだすのを止められずに虚勢を張った。ダメだ。眼前の食事を水のように吸い込むと金を置いて席を立つ。はじめ、歩き。徐々に全力疾走へ。

 自室に戻ると風のように扉を閉めてベッドの陰に座り込む。

 数年間という時間。ルエはセージを知りたくて必死に調べてきたのだろう。なぜ焦っているのか、なぜ強くなりたいのだろうか、とか。行き着いたのはセージがこの世界にやってきて願ってきたたった一つの目的だった。

 迂闊だった。ルエに気が付かれるはずがないと思い込んでいた。

 明日と言わず今すぐ発とう。ルークへの許可は随分と前にとってある。


 「装備を着なくちゃ………っておまえ!! 勝手に入りやがった!」


 扉が開き、息を切らしたルエが姿を見せた。勝手な入室に怒ったセージは咄嗟にベッドから枕を投擲すると、跳び箱の要領でベッドを飛び越し着地、ものの数歩でルエに肉薄して拳を振り上げた。


 「このぉッ! くそ………魔術か」


 だが、拳が空中で静止した。風の戒め。ルエお得意の風魔術が腕を縛り付けて離さない。あと数cmというところで動かない。

 無詠唱魔術。

 ギリリと奥歯を食いしばると恫喝する。


 「離せ!」

 「離しました」


 すぐさま解除された。ルエの顔に表情は無くて佇まいもどこかおかしい。無人の平原に一本だけ新品の墓石が立っているような得体のしれぬ恐ろしさ。

 いつもの優しいルエではないようで、セージは後ずさりをした。腕を組んで頬を膨らませる。腕を組むというのは心理学では相手を拒絶する意味があるという。


 「勝手に人の部屋入ってきて何のつもりだよ。それでどうする。俺はもう行く。お前には関係ない」

 「関係ない……本当に関係ないと?」

 「関係ない。昔からの付き合いがあるだけの関係だから………な」


 言葉を選んで吐き出す。懺悔のように。

 ルエが寄る。セージが下がる。歩幅は徐々に大きく。下がり続けてベッドへ。横に逃げようとしても逃げられず塞がれてしまった。ついにベッドに倒れ込むと、ルエが覆いかぶさるようになった。

 不貞腐れて顔を背け、自分と相手との間に腕を割り込ませていつでもどかせる体勢を取る。


 「関係ありますよ。関係ないなんて絶対言わせない。死の危険に自ら進んでいくあなたを一人になんてさせない。許さない!」


 ルエが丁寧な口調を脱して激昂した。

 セージは狼に吼えられたかのように委縮してしまった。ルエの喉の奥まで見えた。眼前で発せられる言霊の強さに押され、肩を震わす。


 「たとえ逃げても追いかける。誰かに襲われていたら身を挺して守る。嫌だと言っても、勝手についていく。絶対に!」

 「…………まるで愛の告白みたいだな。酒臭いぞカッコ付け筋肉やろー」


 セージは顔に血が昇ってくるのを感じつつ、すんすんと鼻を鳴らした。酒の香り。ワインを飲んだせいだ。もっともお互いに一杯しか飲んでいないが。

 どう出るのか。なんとなく予測がついた。振り払うべきか。拒絶するのか。

 考える暇も無く、ルエの顔がさらに近くに寄ってくる。中性的な顔立ちが赤くなっているのがじっくり観察できた。相手の瞳に己の苦悩の顔が映りこんでいるのも。

 もはや距離は無いに等しく、セージの投げ出した両足の隙間に相手の膝があり、ルエの前髪がセージの額に触れてしまいそうであった。


 「これは僕からの愛の告白と受け取ってください。もう隠すのはやめました」

 「っ…………馬鹿野郎。じゃあナニ。愛してますってかふざけんな馬鹿。俺を好きになってどうするよ……」


 意外ではなかった。前々から。それどこか会ってすぐに好意に気が付いていたから驚きはなくて、とうとう来てしまったかという怯えである。

 この世界で女性をやってきて何年も経過している。執念深く男性を維持しようと心がけていても、女性の環境と振る舞いをしているうちに、アイデンティティが狂い、曖昧になっている。告白が嬉しくもあり悲しくもあり今すぐ顔面を張り倒したくもあった。

 戸惑い、赤面して俯いていると、耳元の髪の毛を指で梳かれた。燃えるような相手の瞳。情熱的な視線。

 ――――やめろ。

 ――――もっとしてくれ。

 頭の中で二人の自分が鬩ぎ合っている。悪魔と天使ではない。同じ人間がだ。


 「馬鹿……馬鹿でも構いません。何と言われようと、愛しています」


 そして、顔が一気に接近した。


 「………! んっ………」


 ぴたりと唇が塞がれる。人工呼吸のそれとは違う本気で求める愛情の行為。

 唇を割って舌が入り込むと舌と絡み合い唾液をかき回す。身をよじろうとするも、上半身が伸し掛かってきており、動けない。そればかりか腰からゾクゾクと奇妙な感覚が走り声をあげそうになった。

 男と男でキスしているのか? 男と女か? セージにはわからなかった。

 口の中を弄られるという未知の感覚に瞳を閉じながらも、保険で相手との間にねじ込んでおいた腕で押しやろうとする。が、離れない。ルエはセージの肩を抱くようにしていたからだ。


 「ぅ、………んく、っ………はっ……」


 頭の中は魔女の鍋だった。本能と理性と知性と記憶と男性と女性などの部門が殺し合いを演じている。

 相手の舌を無視しようにも、強引に絡ませてくる。応じるしかない。たどたどしい舌遣いで迎え入れる。舌から脳へ直接刺激が送られるようで眩暈がした。


 「ぷは……っ」


 たっぷり30秒は口をつけていたか。ルエの方から口を離した。

 まともに呼吸もできず酸欠になりかけていたセージはぜぇぜぇと荒い呼吸をしつつ涙の滲んだ目でルエを睨みつけた。相手の胸と鎖骨付近に手を置くと、向こう側に押す。

 だが、相手の体はびくともしない。それどころかますます身を寄せてくる。


 「はぁっ………ふぅっ……る、ルエッ………! 自分が何をしたのかわかってんのかっ? 無理矢理やりやがった」

 「もちろん理解してます。キスしました。………最高です」


 ルエが心の底から嬉しそうに笑う。

 セージは口をぐいと手の甲で拭うと素っ頓狂な声をあげた。


 「お前変態!? 変態だろ、この鬼畜優男ッ!」

 「男はみんな変態ですよ。セージが可愛くてつい」


 吹っ切れた男とはこうも強いものか。照れた笑みを湛える男を前に、感心した。

 決断を先延ばしにしたり場に流されたりしがちなセージにはルエの強さが眩しくもあり恥ずかしくもあった。

 渾身の力を込めて相手を退けると、ベッドを飛び越して反対側で相手に背中を向けて座る。口やら目やらを手で繕いつつ。乱れたセミロングも整えつつ。


 「もし危なくなったら見捨てるからな! おれ、知らないぞ! 死ぬぞ! 死んじゃうぞ!」


 キーキー声で背後の相手に脅しをかける。

ベッドがギシ、と鳴った。相手の呼吸や身じろぎが接近してきた。ふわりと両腕で背後から体を抱かれる。積極的過ぎる。蛇に睨まれる鼠よろしく動けない。

 耳元に口が急接近した。


 「火の中だろうが水の中だろうがついていきますよ。そうだ、一つ伝言が」

 「くすぐったい! お前わざとやってんだろ! 殺すぞ!」


 エルフの耳を弄るというのは一般的に胸を触るのと同意義である。わざわざ耳元で息がかかるように喋るのがどのような意味かは言うまでもない。

 セージは背中で相手の胸を突き離し振り返ると、唇をヘの字に結んで応対した。

 ルエが、何もしませんよと言わんばかりに両手を肩のあたりでホールドアップしながら、言葉を続けた。


 「ロウ師匠から、もしセージが旅立つならば連絡をくれと伝えられています。連絡を取り返答を待ちませんか」

 「嘘ついてんじゃないだろうな」

 「つきませんよ。誰の得になるというんです」

 「………わかったよ。連絡して返事が来るまで待つ。了解了解」


 セージはベッドから両足を振った反動で降りると、ドアを指差した。


 「ルエ、今日は帰れ。十秒以内に帰れ。さもないとおっかない目にあわせるぞ。早くいかないと一生お粥を食べて生活するようにしてやるからな! ギッタンギッタンだ!」

 「ふふ……了解しました。また明日」


 脅しをかけるや、ルエはあっさりとベッドから立ち去り、扉の向こうに消えてしまった。華麗な引き際。

 一人残されたセージは脱力してベッドに座り込むと背中を丸めた。


 「……わけわかんねーよ」


 考えるのが嫌だった。

 水差しから水を一杯コップに移して飲み干すと布団に潜り込んで体を丸め目を閉じた。

 水浴びに外に出たくない。今は布団の中に居たかった。

 いつの間にかセージは眠りについた。




こってりたっぷり修業期間を描くのも手だったんですが省略しました。

ルークの一声で吹っ飛ばされるのを描写するのも楽しs………興味深いですが。

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